国内のチャットbot利用率は上昇しており、顧客サポートやサービスの自動化、対話型教育などのデジタルアシスタントなどに活用が広がっている。主なユースケースは、金融や保険などでの顧客問い合わせ、eコマースでの顧客サポート、社内問い合わせ業務などだ。
また、スマートスピーカーの普及に代表されるようなスマートホームデバイスの市場も拡大し、NLP(自然言語処理)技術も進歩している。
こうした背景から、コラボレーション、CRM(顧客管理)、ERP(基幹業務)、SCM(サプライチェーン管理)などの業務アプリケーションや業種ソリューションへのNLPを利用した音声・テキストベースの対話型AIアシスタント適用が普及していくとみられる。
ITサプライヤーは、ベンチャーか大企業かにかかわらず、音声認識AIの最新技術を持つ企業とのアライアンスなどを進めるべきである。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けたセキュリティ人材の不足が深刻化し、AIによる対策の自動化が加速する。世界から注目される国際イベントでは、過去にもサイバー攻撃が多発している。
サイバー攻撃は高度化し、被害は大規模化の一途をたどっており、ランサムウェア攻撃やファイルレスマルウェア攻撃などの攻撃方法も高度化している。国内ではサイバーセキュリティ基本法の施行により、重要社会インフラ分野での取り組みが促進されているが、経済産業省が2016年に実施した調査では、2020年には20万人近くの情報セキュリティ人材が不足する見込みだ。深刻な人材不足による被害の拡大や復旧遅延といった大きな問題が生じる恐れがある。
そのため、AIを活用したセキュリティシステムによるセキュリティプロセスの自動化が加速するとみられる。
ITサプライヤーは、AIを活用した脅威インテリジェンスによる製品連携ソリューションを訴求すべきである。
2018年には「スタンドアロン型VRヘッドセット」が多数登場したが、2019年はスマートフォンなどに接続する「ケーブル型AR/VRヘッドセット」が複数登場する。ケーブル型の登場は、ヘッドセットの軽量化やコスト削減などの恩恵が大きい。
さらに、ヘッドセットとの接続端子はVirtualLinkやDisplayPort Alternate Modeなどの標準化が進行している。このようなAR/VRデバイスの進化は、エンタープライズ用途にも徐々に広がると期待される。
ITサプライヤーは、そのユースケースに関して研究を進めるべきである。
DXには、1つの絶対的な解が存在するわけではなく、アジャイル開発やリーン手法の活用を前提とし、小規模な試行錯誤を繰り返しつつ、効果的な取り組みを拡大するアプローチが必要との認識が高まっている。
そのため、DXを支援する外部のサービスベンダーに対して、個別プロジェクト単位ではなく、取り組みを継続的に支援するサービスの需要が高まる。
こうしたサービスでは、デザインアプローチを活用し、顧客とともにアイデアの創出から実装までを行う「ハンズオン(手を動かす)」型の支援が、より高い価値を提供できる場合が多い。ハンズオン型支援は、顧客企業の人材育成や、CoEの機能提供の受け皿としても発展していく。
ITサプライヤーは、継続/反復的支援におけるオファリングや契約体系、体制など、ビジネススキームの組み立てを急ぐべきである。
国内では、DevOpsに取り組む企業が増加傾向にあり、IT組織全体で実践している例も出始めている。2019年も引き続きDevOpsの利用は増加する見込みである。
さらにDX向けのアプリケーション開発に向け、DX推進部門とDevOpsチームが連携し、クラウドネイティブアプリケーションの開発が2019年以降に加速するとみられる。
ITサプライヤーは、顧客のDevOps支援サービスに向けてサービスモデルを改革すべきである。
国内エンタープライズインフラ市場は縮小傾向にある中、データ基盤としての機能強化に向けた新技術の導入が進む。オールフラッシュアレイ(AFA)へのNVMe搭載、アクセラレーテッドコンピューティングの普及その例である。
併せて、インフラに対する支出モデルの多様化も進み、Software-Defined化とコンバージェンス化、CAPEXモデルからOPEXモデルへのシフト、オンプレミスの従量課金サービスの利用などが進む。
ITサプライヤーは、多様な支出モデルの提供能力を確立すべきである。
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