回線は期限までに開通させねばならない。言うはやすく行うは難し、これは回線開通でも成り立つ。
店舗の開設やクラウドとの接続など、回線開通の期限は決まっている。デッドラインを明確にして、それに間に合うよう着実に開通までの作業をキャリアに実行させ、自社で行うべき作業の準備を進める必要がある。キャリアに新規で回線を申し込んでから、開通するまでの流れと留意点は次の通りだ。
回線開通で一番困るのは、新しい店舗の開設といった回線を必要とするイベントの情報がなかなか届かず、デッドラインまでの期日が1カ月程度しかない、という場合だ。上記のプロセスを極力短縮するようキャリアに働き掛けるしかないのだが、代替手段を並行させて準備する必要がある。筆者のプロジェクトではLTEの無線をよく使う。
先ほど解説したプロセスの中では、現地調査が重要である。回線を早く申し込んでも現地調査が終わらないと、キャリアやNTT東西が開通に向けて動き始めたとはいえない。回線申請して1週間たっても現地調査の日程が決まらないようなら、さっさと現地調査をするようキャリアに働き掛けねばならない。
回線の話は泥臭いものだが、ネットワーク構成図に線を引いただけでは実際のネットワークを作ることはできない。皆さんも一度は回線申請から開通まで、経験することをお勧めしたい。
松田次博(まつだ つぐひろ)
情報化研究会主宰。情報化研究会は情報通信に携わる人の勉強と交流を目的に1984年4月に発足。
IP電話ブームのきっかけとなった「東京ガス・IP電話」、企業と公衆無線LAN事業者がネットワークをシェアする「ツルハ・モデル」など、最新の技術やアイデアを生かした企業ネットワークの構築に豊富な実績がある。企画、提案、設計・構築、運用までプロジェクト責任者として自ら前面に立つのが仕事のスタイル。『自分主義-営業とプロマネを楽しむ30のヒント』(日経BP社刊)『ネットワークエンジニアの心得帳』(同)はじめ多数の著書がある。
東京大学経済学部卒。NTTデータ(法人システム事業本部ネットワーク企画ビジネスユニット長など歴任、2007年NTTデータ プリンシパルITスペシャリスト認定)を経て、現在、NECスマートネットワーク事業部主席技術主幹。
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