Red Hat、ブラウザIDEのCodeReady Workspacesについて説明Knative Build-Pipeline対応ツールも開発中

「初のKubernetesネイティブな統合開発環境(IDE)」をうたうRed Hatの「Red Hat CodeReady Workspaces」について、同社の米国レッドハット OpenShiftおよび開発ツール技術担当バイスプレジデント、カール・トリエフ氏が東京都内で説明した。

» 2019年02月21日 11時00分 公開
[三木泉@IT]
Red HatのOpenShiftおよび開発ツール技術担当バイスプレジデント、カール・トリエフ氏

 「初のKubernetesネイティブな統合開発環境(IDE)」をうたうlRed Hatの「Red Hat CodeReady Workspaces」について、同社のOpenShiftおよび開発ツール技術担当バイスプレジデント、カール・トリエフ(Carl Trieloff)氏が2019年2月20日、東京都内で説明した。

 CodeReady Workspacesでは、通常開発者がノートPC上でつくる開発環境を、丸ごとKubernetesコンテナクラスタ上で(本番環境と同一の構成で)用意できる。開発者は、同製品の中核コンポーネントであるEclipse CheベースのWebブラウザIDEで作業を行える。そうすれば、ノートPCと本番運用につながる環境の間での断絶が解消され、個々の開発者にとっては後工程での手戻りが減り、チームとしてはさまざまな統一や共有ができ、セキュリティも確保しやすくなって、開発プロセス全体の効率化が図れるという。

OpenShift Container Platformを使っていても、現状では開発作業が各人のノートPCで行われ、本番環境とは断絶していることで、非効率が発生
開発からテスト、本番投入までを同一の環境で進められるという

 トリエフ氏は、クラウドネイティブなマイクロサービスによるアプリケーション開発ではブラウザIDEへの移行が進むと考えていると話した。

 なお、Eclipse Cheは「クラウドIDE」と表現されることもあるが、CodeReady Workspacesはオンプレミスで稼働する「Red Hat OpenShift Container Platform」の無償オプションコンポーネントという位置付け。そこで例えばコード共有では、オンプレミスで動作するコードリポジトリを活用できる。

 CodeReady Workspacesでは、「アーキテクト」「プラットフォームデベロッパー」などと呼ばれる人たちが、プロジェクトごとにKubernetesによるコンテナクラスタの構成を行い、開発者に提供できる。開発者はプロジェクトのURLをクリックするだけで、自身の作業を始めることができる。

CodeReady Workspacesを利用する際のアーキテクトと開発者の役割分担

 CodeReady Workspacesは一般的なCI(継続的インテグレーション)ツールと連携して使える。トリエフ氏によると、Red HatではCIに関し、Knative Build-Pipeline(Knativeのサブプロジェクト)に基づくパイプライン構築ツールも開発中という。

 Knative Build-Pipelineについては2018年12月、Cloud Native Computing Foundation(CNCF)のCOO(最高執行責任者)であるクリス・アニズィック(Chris Aniszczyk)氏が、筆者に次のように話していた

 「これはあらゆるCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)システムから使えるパイプラインを定義できるというもので、とても良いアイデアであり、もっと早くこうしたツールが登場すべきだったと思う。サーバレス以外でも役に立つと考えている」

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