Kubernetes 1.14がリリース、Windowsコンテナサポートが安定版に到達永続ローカルボリュームもGA

Kubernetesプロジェクトは2019年3月25日(米国時間)、Windowsノードの本番サポートなどを盛り込んだKubernetes 1.14をリリースしたと発表した。Kubernetes 1.14では、安定性に重点を置き、既にβ版などとして搭載している機能を成熟させることに力を注いだという。

» 2019年03月26日 08時39分 公開
[三木泉@IT]

 Kubernetesプロジェクトは2019年3月25日(米国時間)、Windowsノードの本番サポートなどを盛り込んだKubernetes 1.14をリリースしたと発表した。

 Kubernetes 1.14では、安定性に重点を置き、既にβ版などとして搭載している機能を成熟させることに力を注いだという。

 Kubernetesプロジェクトでは、「α版」「β版」「安定版(stable)」の判断基準を明確に定義し、これを文書化。全ての機能強化について、この基準に基づく評価を行うことにした。新リリースは、この基準を適用した初めてのリリースという。

 新リリースで、「安定版」と呼ばれている機能には、次の3つが含まれる。

Windowsコンテナ対応

 これまでKubernetesはWindowsノードのサポートをβ版として提供してきた。今回のリリースで、Windowsノードをワーカーノードとして追加し、Windowsコンテナをスケジュールする機能をプロダクションレベルでサポートした。このためLinux/Windowsアプリケーションを、Kubernetesで統合的にオーケストレーションできるようになった。

 具体的には次のような機能が盛り込まれている。

  • ワーカーノードとコンテナについてのWindows Server 2019のサポート
  • Azure-CNI、OVN-Kubernetes、Flannelによるアウトオブツリーネットワークのサポート
  • ポッド、サービスタイプ、ワークロードコントローラ、メトリクス/クオータのサポート改善で、Linuxコンテナに提供される機能と性格に一致するようになった

kubectlプラグイン

 kubectlプラグインは、ユーザーがカスタムkubectlサブコマンドをスタンドアロンバイナリ形式で公開できるメカニズム。これが安定版に昇格したという。

永続ローカルボリューム

 ローカル接続のストレージを永続的ストレージボリュームとして利用する「persistent local volume」機能がGAに達した。分散ファイルシステムやデータベースなどで、パフォーマンスとコストを改善できる可能性がある。

 他には、PIDリソースの利用制限のβ版への移行、宣言的なResource Configのオーサリングが行えるKustomizeの統合、kubectlのドキュメントおよびロゴの一新などがあるという。

 次バージョンであるKubernetes 1.15では、RuntimeClassをスケジューリングの制約条件として使えるRuntimeClass Scheduling、ネットワークトポロジーに基づくルーティングが行えるTopology-aware Service Routing、高度な監査機能を実現するDynamic Audit Configurationなどを開発中という。

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