DevOpsプラットフォーム製品を提供するGitLabは2020年4月28日、日本市場への本格参入を発表した。同社のCEOであるシッツェ・シブランディ氏は、国内メディア向けのオンライン説明会で、同社の戦略について語った。
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GitLabは2020年4月28日、日本市場への本格参入を発表した。同社のCEO、シッツェ・シブランディ(Sid Sijbrandij)氏は国内メディア向けのオンライン説明会で、同社の戦略について語った。
GitLabは日本法人を設立した。日本担当カントリーマネージャーに就任した村上督氏は、これまで同社製品を販売してきたクリエーションラインに加え、システムインテグレーターを中心に、販売パートナーを広げたいと話した。
ソースコードのバージョン管理ツールとしてスタートしたGitLabは、現在では開発プロセス全般にまたがる機能を提供している。
シブランディ氏は、「組織管理」「トラッキング」「コード作成」「検証」「パッケージング」「コードセキュリティ」「リリース管理」「構成管理」「監視」「セキュリティ保護」の全てで機能を提供しているのは同社だけだと強調した。特にセキュリティ関連機能は約2年前に提供開始以来、利用が急速に拡大しているという。
「単一の製品でDevOpsライフサイクルに求められる機能を網羅しているため、特定分野に特化したポイントツールを組み合わせる必要がない。ライセンス料が節約できるだけでなく、統合やメンテナンスのコストも削減できる。開発サイクルの高速化で、開発コストも低減する。さらにこれが、ユーザー組織の事業成長を加速する」(シブランディ氏)
GitLabは、これらの機能を、商用版では「Starter」「Premium」「Ultimate」の3種類に分け、それぞれ「マネージャー」「ディレクター/バイスプレジデント」「CIO(最高情報責任者)/CISO(最高情報セキュリティ責任者)」に向けて販売促進活動を行っていると、シブランディ氏は説明した。例えばある組織のCIOがUltimateを購入する判断をすれば、その組織に属する全ユーザーがUltimateに含まれる機能を利用できることになるという。
GitLabの2019年における売り上げは年間1億ドルで、前年比119%増。この事業成長と、最近実施した資金調達を基に、同社はグローバルでのチャネル販売体制を強化している。今回の日本市場への本格参入は、その一環として位置付けられる。
ただし村上氏によると、それだけではない。日本には既に65社の有償顧客が存在すること、大規模なコミュニティーが立ち上がっていること、国内に活発なコントリビューターがいることが、日本における事業活動拡大につながっているという。
また、日本にはコミュニティー版のユーザーが多数存在する。セキュリティや可用性の観点から有償版に切り替えたいと考えているが、社内で稟議(りんぎ)を通すのが難しいという声を聞いているという。こうした声をユーザー組織の管理者層に届けるような戦略的な動きをする時期に来ているという判断が背景にあると説明した。
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