Google Cloudは2019年4月9日(米国時間)、Knativeに基づく新たなサーバレスサービス、「Cloud Run」をパブリックβ版として提供開始したと発表した。これはGoogle App EngineやGoogle Cloud Functionsを補完するもの。あらゆる言語で書かれたカスタムアプリケーションのサーバレスでの運用、そして多様な環境にまたがる互換性の確保を目的としている。
Google Cloudは2019年4月9日(米国時間)、Knativeに基づく新たなサーバレスサービス、「Cloud Run」をパブリックβ版として提供開始したと発表した。これはGoogle App EngineやGoogle Cloud Functionsを補完するもの。あらゆる言語で書かれたカスタムアプリケーションのサーバレスでの運用、そして多様な環境にまたがる互換性の確保を目的としている。
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Cloud RunはステートレスなHTTPアプリケーションを、Kubernetesや他のインフラ関連の設定を行うことなく実行できるサービス。Dockerイメージを持ち込むだけで、サービスURLが作成され、利用できるようになる。
そしてアプリケーションは、負荷に応じて自動でスケールし、ゼロに縮退することも可能。
Cloud Runでは、既存のカスタムアプリケーションや、ソースコードが提供されないパッケージアプリケーションを容易にサーバレスで運用できる。新しいアプリケーションについても、あらゆる開発言語で書かれたものに対応できる。
このサービスではビルドのプロセスはカバーしていないが、Cloud Buildをはじめ、一般的なビルドツールを利用できる。また、Cloud Native Computing Foundationで進むこの分野での取り組みもサポートしていくという。
現時点における制限は、インスタンス当たりのメモリサイズが1GBで1CPUコア。プロセスはHTTP 1.1リクエストを受け付けなければならない。実行時間は最長で15分。
Cloud Run自体は独立したサービスとして提供されるのに加え、ユーザーがこれをGoogle Kubernetes Engine(GKE)上にインストールして使うこともできる。これにより、既存のGKEクラスタに、上記のようなステートレスHTTPサービスを持ち込み、Kubernetesを意識せずに利用できるという。
また、Cloud RunはKnativeをベースとしているため、オンプレミスなどGoogle Cloud以外の環境でも、同様な使い勝手で同一のアプリケーションを動かせる。こうしてアプリケーションのポータビリティを確保できるという。
一方、Google CloudはCloud FunctionsとApp Engineで、次の機能強化を発表した。
Cloud Functionsではランタイムとして、Node.js 8(GA)、Python 3.7(GA)、Go 1.11(GA)、Node.j 10(β)、Java 8(α)、Go 1.12(α)に対応した。また、Node.js 10に対応したFunctions Frameworkを新たにオープンソースとして提供。このツールでは、記述したファンクションからコンテナイメージを作成、さまざまなコンテナ環境で動かせる。
また、VPCコネクターでの既存VPCとの通信、ファンクション単位のアイデンティティ管理、スケーリングの制御が発表されている。
App Engineでは第2世代ランタイムで、Node.js 10(GA)、Go 1.11(GA)、PHP 7.2(GA)、Ruby 2.5(α)、Java 11(α)をサポートした。 また、こちらでもVPCとの通信を実現した。
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