ノークリサーチの分析によると、中堅中小企業のRPA導入金額を最大化させるには、高度な判断を伴うRPAの活用方法を提案することが必要だという。
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ノークリサーチは2019年4月15日、IT企業がユーザー企業に提案を行う際、RPA(Robotic Process Automation)導入金額を最大化するための分析結果を発表した。
それによると、高度な判断を伴うRPAの活用方法を提案することが、RPA導入金額の最大化につながるという。
中堅中小企業の業務を効率化する手段として注目を集めているRPAだが、ノークリサーチによると、どの業務を自動化すればよいか分からなかったり、業務の自動化に取り組みたいが費用が高くて踏み出せなかったりというユーザー企業が多いという。後者については、システムを導入するIT企業にとって、RPA導入前の現状把握や課題認識の労力を考慮するとRPAソリューションの価格を高めに設定せざるを得ないという実情があるようだ。
こうした状況を打開するために、ノークリサーチでは、IT企業が「RPA導入に十分な費用を割くことのできるユーザー企業を的確に把握し、横展開可能な提案ノウハウを早期に蓄積する」という取り組みを進める必要があるとしている。
ノークリサーチでは、こうした課題の解決を図るために、RPAを導入済みまたは導入予定の企業に対して、RPA関連の導入費用と用途を調べ、分析した。調査結果を企業の年商別と、RPAの用途数別にそれぞれ集計したところ、導入費用が最も高いのは用途数が11のときだった。さらに用途数が6の場合も前後と比較して突出していた。
同社の分析では11項目のRPAの用途を大きく3つのカテゴリーに分けた。紙面データやWebサイトからの転記といった「データの転記や照合」、資料やレポートの作成といった「データの作成や加工」、Q&Aサイトやメールの自動応答といった「高度な判断を伴う処理」である。
これらの調査データを同社がランダムフォレスト法によって分析したところ、用途として「Webサイトからの転記」「メール文面からの転記」「データや書式の変換」「Q&Aサイトの自動応答」「データ分析と予測」を全て挙げた場合に用途数が11になることが多いとの知見を得たとしている。
「データや書式の変換」などはRPAの最も基本的な用途であり、決定的な要因ではないと考えられる。Q&Aサイトの自動応答やデータ分析と予測といった高度な判断を伴うRPAの活用方法を提案することで、ユーザー企業のRPA用途数を11に近づけることができ、導入金額をより大きくできるという。
今回の分析に用いた有効回答社数は、日本全国の年商500億円未満の中堅中小企業1295社。
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