Nutanix on AWSと、企業にとってのハイブリッド/マルチクラウドの選択肢Nutanix .NEXT 2019(1/3 ページ)

Nutanixが2019年5月の同社イベント「Nutanix .NEXT 2019」で発表した「Nutanix on AWS」は、同社が一般企業のITインフラに関し、どのような選択肢を提供しようとしているかを探るための、良い切り口になり得る。本記事では、ユーザー同社クラウド/AI担当バイスプレジデントのビニー・ギル氏とCTO(最高技術責任者)のスニル・ポッティ氏に聞いた話に基づき、これをまとめた。

» 2019年06月03日 05時00分 公開
[三木泉@IT]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

 Nutanixが2019年5月の同社イベント「Nutanix .NEXT 2019」で発表した「Nutanix on AWS」(「Nutanix Xi Clusters」という名称も用いている)は、同社が一般企業のITインフラに関し、どのような選択肢を提供しようとしているかを探るための、良い切り口になり得る。本記事では、同社クラウド/AI担当バイスプレジデントのビニー・ギル氏とCTO(最高技術責任者)のスニル・ポッティ氏に聞いた話に基づき、企業・組織がNutanixによってどのようなハイブリッド/マルチクラウドの選択肢を得られるのかについて紹介する。

 Nutanix on AWSの概要については速報記事の通りだが、VMware Cloud on AWSとの違いを短く表現すると、「Nutanix on AWSはAWSの物理サーバサービスであるAmazon EC 2ベアメタルインスタンスを、一般のユーザーと同様に使い、あたかもアプリケーションであるかのように、Nutanixのプラットフォームソフトウェアである『Enterprise Cloud Platform』をその上に自動展開する」サービスだ。

 AWSからは、Nutanix on AWSユーザーが、他のベアメタルインスタンスユーザーと全く同じに見える。従って、(ベアメタルインスタンスの独特な構成についての検証を除けば)AWSとの特別な共同作業は不要。ベアメタルインスタンスが提供されているAWSリージョンであれば、基本的にはどこでも提供できることになる。テクニカルプレビューが始まれば東京リージョンでも利用可能になると、ギル氏は話した。

Nutanix on AWSは、AWSのサービスをそのまま使うのが特徴

 他のクラウドサービスやデータセンターにも容易に適用できるはずだ。実際ギル氏は筆者に、「日本のクラウド/データセンター事業者でも、今後同様なサービスを提供できるようにしていきたい」と話している。

 なお、VMC on AWSは、AWSがベアメタルインスタンスを一般提供する前から共同作業を進めてきたため、物理サーバの調達について、特別な手法を用いているかのようなイメージがある。だが、現在では、一般ユーザーと同様なプロセスで行っているという。一方、VMC on AWSでは、VMware NSXを通じたネットワーク接続や、「VMware vSAN」と「Amazon EBS」の統合的な利用をはじめとする高度な連携、管理面での一体化などの理由から、共同作業が今後も必要になる。

 Nutanixが見せたデモによると、ユーザー組織にとってのプロビジョニングプロセスは次のようになる。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

AI for エンジニアリング
「サプライチェーン攻撃」対策
1P情シスのための脆弱性管理/対策の現実解
OSSのサプライチェーン管理、取るべきアクションとは
Microsoft & Windows最前線2024
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。