「日本は実際の被害は少ないが、危機意識は諸外国より高い」 F-Secure意識調査調査対象の8カ国のうち51%が被害に

F-Secureの個人情報保護に関する意識調査によると、家族の誰かが何らかサイバー犯罪の被害を受けたことがあると回答した割合は51%、自分がサイバー犯罪などの被害に遭うのではないかと感じていると回答した割合は71%だった。

» 2019年07月11日 08時00分 公開
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 F-Secure(以下、エフセキュア)は2019年7月10日、9カ国で実施した個人情報保護に関する意識調査の結果を発表した。それによると、回答者の51%が、家族の誰かが何らかサイバー犯罪の被害を受けたことがあると回答した。

 まず、被害に遭ったったサイバー脅威は、多いものから順に「マルウェア/ウイルス」(27%)、「カード詐欺」(18%)、「ショートメール詐欺/電話詐欺」(11%)など。この他には「ログイン情報の盗難」(10%)や「ランサムウェア」(6%)、「オンラインバンキングの不正アクセス」(5%)もあった。また「自分がサイバー犯罪やなりすましの被害に遭うのではないかと感じている」と回答した割合は71%、「自分の子どもも被害を受ける恐れがある」と回答した割合は73%だった。

画像 セキュリティインシデントの一般的な割合(出典:エフセキュア

 日本とその他8カ国を比べると、サイバー犯罪の被害を受けたことがあると回答した割合は、8カ国の51%に対して日本は41%と低かった。その一方で、自分がサイバー犯罪や、なりすましの被害を受ける危険性について「まあまあ高い」から「非常に高い」と感じている割合は、8カ国の70%に対して日本は77%と高かった。これらの結果についてエフセキュアは、日本では実際に被害を受けた人は少ないものの、被害を受ける可能性には高い意識を持っていると分析している。

「クラウドサービスを提供する企業の多くが標的にされている」

 エフセキュアのクリスチャン・ヤンネフェルト氏(コンシューマー向けサイバーセキュリティ製品担当エグゼクティブバイスプレジデント)は次のように語る。

 「調査結果は身近な人がサイバー犯罪や個人情報盗難の被害を受けていることを示している。だからといって2019年の現在、インターネットなしの生活はほぼ不可能だ。クラウドは既に一般的なサービスになっているが、ユーザーからどのような情報を収集したのか、それがどこに保存されているのかは、公にされているわけではない。当社のB2Bサイバーセキュリティ部門は、クラウドサービスを提供する企業の多くが、大量の消費者データを盗み取ろうとするサイバー犯罪者にとって、大きな利益を生む標的と化していることを既に確認している」

 エフセキュアによると、サイバー犯罪の手口では、マルウェアやフィッシングといった従来型の手法だけでなく「なりすまし」や「アカウントの乗っ取り」が増えているという。そのため同社は、個人ユーザーにとって包括的なサイバーセキュリティへの対策が必要だとしている。

 エフセキュアでプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントを務めるアンテロ・ノルキオ氏は「企業向けに提供しているのと同じようなレベルの保護を個人ユーザーにも提供すべきだが、設定が複雑になる可能性があり、現在は個人ユーザーのインターネットの使い方に合わせて調整している。脅威の発生に対する予防から始め、完全なサイバーセキュリティプロセスを提供するために、標的型攻撃を検知する新たな機能を追加する必要がある」と述べている。

 なお、今回の調査は、日本、フィンランド、米国、英国、ドイツ、スイス、オランダ、ブラジル、スウェーデンの9カ国で、各国400人の25歳以上の個人ユーザーを対象に実施された。

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