情報セキュリティの啓発を目指した、技術系コメディー自主制作アニメ「こうしす!」の@ITバージョン。第15列車は「昭和100年問題」です。※このマンガはフィクションです
ここは姫路と京都を結ぶ中堅私鉄、京姫鉄道株式会社。
その情報システム(鉄道システムを除く)の管理を一手に引き受ける広報部システム課は、いつもセキュリティトラブルにてんてこ舞い。うわーん、アカネちゃーん。
「こうしす!」制作参加スタッフが、@IT読者にお届けするセキュリティ啓発4コマ漫画。
※このマンガはフィクションです。
今回は「暦」に関する問題です。
情報化が進んだ現在、昭和から平成への改元よりも、平成から令和への改元の方が情報システムへの影響は大きかったといえるでしょう。もともと多くのシステムで改元が想定されていたとはいえ、OSやライブラリの対応が細かい部分で二転三転したこともあり、振り回された方も多かったのではないでしょうか。
取りあえずの影響を免れたというシステムもありました。内部日付も表示日付ももともと西暦で統一していた場合などなど――。
そんな影響を免れたシステムの中に、現在も昭和のまま現役稼働しているシステムがあるというウワサを聞きます。幸いにも筆者は経験がありませんが、日付だけでなく、通番などで昭和の年を使用しているケースは容易に想像できます。
今は昭和94年7月です。昭和100年まで残り5年半を切りました。もし年号の桁数を2桁としているシステムがあれば、あと5年半で桁あふれにより正常に動作しなくなる可能性があります。
いや、計算上未来の日付を使用するシステムでは、既に異常を来しているかもしれません。
昭和00年扱いになって、計算あるいは帳票の出力順がおかしくなる、そもそも算術エラーでシステムがダウンするなど、さまざまな影響が考えられます。
もはや待ったなしの状況です。
もう逃げられません。
ちなみに、さらに深刻な影響があるといわれているのが、「2036年問題」や「2038年問題」です。今回の本題とは少し逸れるため、詳しい解説は他に譲りますが、こちらも日付時刻関係の数字が最大値を突破することにより発生する問題です。2000年問題よりも影響は深刻ともいわれており、一部では既に問題が発生し始めています。
第25回 32ビット環境に迫る「2038年問題」 時計がおかしくなると……(ITmedia エンタープライズ)
KDDI、「2038年問題」で1346万円を過剰請求(ITmedia NEWS)
発生すると分かり切っている問題の対応を「まだ時間があるから」と先延ばしにしていれば、深刻なトラブルを引き起こす結果となります。
今のうちから計画的に対応を行っていきましょう。
Copyright 2012-2017 OPAP-JP contributors.
本作品は特に注記がない限りCC-BY 4.0の下にご利用いただけます
フリーイラストレーター。アニメ「こうしす!」ではキャラクターデザイン・キャラ作画担当をしています。
アニメ「こうしす!」監督、脚本。情報処理安全確保支援士。プログラマーの本業の傍ら、セキュリティ普及啓発活動を行う。商業向け新シリーズ「こうしす!EE」にて、小説版の出版が決定し、現在鋭意執筆中。
オープンソースなアニメを作ろうというプロジェクト。現在はアニメ「こうしす!」を制作中。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.