皆さんは、近々上司と一緒に仕事をすることになろうかと思います。ならば、早くから上司の本音を知り、お互いに情報交換しておくと、過度に遠慮しなくてもいい関係が築けるかもしれません。
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます! 大変だった就活を乗り越え、ようやくここまでたどり着きましたね。
入社してから多少の時間が経過したとはいえ、学生時代との違いに戸惑っている方もいれば、まだ慣れない社会人生活に日々緊張してる方もいるかもしれません。
でも、安心してください。時間とともに、きっと慣れていくと思います。
さて、既に上司が誰になるのか分かっている方もいれば、いまはまだ研修中で配属先が決まっていない方もいるでしょう。いずれにしても、近々「上司」と呼ばれる人と一緒に働くことになろうかと思います。
そこで今日は、新入社員の皆さんに伝えたい「上司の本音」を、お話ししてみます。
僕は、職場の組織作りやコミュニケーションに関する企業研修や講演を行っています。そのため、管理職の方々と接する機会が多くあり、次のような声をよく聞きます。
自分が若い頃と価値観がまったく異なるため、どのように接したらいいのか分からない
本当は言いたいことがあるのだけれど、パワハラやモラハラと言われないか心配
多くの管理職たちは、本当は新入社員の皆さんといろいろと話をしたいし、自身の経験から「○○を学んでおいた方がいい」といったアドバイスや、「大切なマインド」といった話もしてあげたい。けれども、「今どき、マインドみたいな話は嫌われるんじゃないか」「これを言ったら、パワハラやモラハラに当たるじゃないか」と、かなり用心しながら若手に接しているようなのです。時には、過度に用心するが故に変な伝え方になることも……。
パワハラやモラハラを過度に気にして、コミュニケーションを取ること自体を諦めてしまう人もいます。先日、ある管理職の人はこう言っていました。「本来なら、『ここはちゃんと言った方がいいな』と思うこともあります。でも、パワハラ、モラハラと言われるリスクを考えると、正直『深く関わらないのが一番楽だな』と思うこともあります」
また、最近では退職代行を利用する人が増えているそうです。「自分の関わり方のせいで退職されてしまうんじゃないか」と心配している管理職の方もいました。
僕自身、声が大きめの人や、ストレスをかけて人を動かそうとする人、理不尽なことを平気で言う人……といった、パワハラ気質な人が得意ではありません。また、意味のない精神論も。
一方で、こうした管理職の不安が過度に広がると、本来、新入社員の皆さんが成長する上で、あるいは、危険にさらされないようにする上で「必要な情報が得られない恐れがあるかもしれないな」と、心配になることがあります。
ここでいう「成長する上で、あるいは、危険にさらされないようにする上で必要な情報」を感覚的に理解するために、僕たちが働く環境を「戦場」に例えて話をしてみます。
当然ですが、戦場にはさまざまな危険やリスクがあります。必要な装備を身に着けていないと、銃で撃たれるなど、身を守れない恐れがあります。
そういった危険やリスクを知っている人は、まだ、現場に慣れていないメンバーに対して、こんなアドバイスをするでしょう。「これ以上前に行くと危険だから、絶対に行くな!」「そんな軽装じゃ危ないぞ! 必要な装備を身に着けろ!」と。
こうしたアドバイスがなく、「まぁ、こんな感じかな?」と自己判断だけで戦場に足を踏み入れてしまったら、恐らくすぐに命を落としてしまうでしょう。
もちろん、これはあくまでも例え話です。僕たちが働く環境は戦場ではありません。ですが、ビジネスの現場にも仕事をする上で気を付けた方がいいことはあるし、身に付けておいた方がいい知識やスキルがあります。
新入社員にとって大切な情報を、管理職が過度に遠慮することなく伝えられ、皆さんが適切に受け取れる関係があるといいな、と思うのです。
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