Linux Foundationは2019年3月、「オープンソース(OSS)の技術革新と持続可能性を促進する」ことを目的に、「CommunityBridge」というプログラムの提供開始を発表した。Linux FoundationでCommunityBridgeのプロダクトディレクターを務めるティム・フォング(Tim Fong)氏へのインタビューに基づき、同プログラムの目的や内容を探る。
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Linux Foundationは2019年3月、「CommunityBridge」というプログラムの提供開始を発表した。目的は「オープンソースソフトウェア(OSS)の技術革新と持続可能性を促進する」こと。最も注目されるのはOSSプロジェクトの資金調達を支援する「CommunityBridge Funding」だが、CommunityBridgeは複数のサブプログラムで構成されている。本記事ではLinux FoundationでCommunityBridgeのプロダクトディレクターを務めるティム・フォング(Tim Fong)氏へのインタビューに基づき、同プログラムの目的や内容を探る。
CommunityBridge Fundingは、OSSプロジェクトが金銭的支援を受けるためのプラットフォームを、Linux Foundationが運営するもの。同プログラムに参加すると、OSSプロジェクトは金銭支援を求めるプロジェクトとしてリストされ、インターネットに公開されたファイナンス情報ページを持てる。
このページでは、活動情報、年間調達目標額と達成度、寄付を行った組織や個人の名前と金額などが表示される。また、CommunityBridge Fundingを通じた支援金額とその利用用途の報告もなされる。つまり、このページでは、各OSSプロジェクトに関する同プラットフォーム上でのファイナンス関連情報が全て公開される。フォング氏は、ファイナンスにおける透明性の確保が、新プラットフォームの重要な目的の一つという。
ただし、Linux Foundationが個々のOSSプロジェクトについて、潜在的な資金提供者に対して直接的に働き掛けてくれるわけではない。フォング氏は、CommunityBridge Fundingについて、あくまでもプラットフォームだと話す。資金獲得のきっかけを与えるものにすぎず、プロジェクト自体が潜在的な資金提供者に働き掛けなければならないと話す。
CommunityBridge Fundingに参加するOSSプロジェクトがやるべきことについて聞くと、フォング氏は次のように答えた。
「資金提供を受けたいプロジェクトは、資金提供者とコミュニケーションをとり、自らの価値を示していく必要がある。お金は天から降ってくるわけではない。資金提供者との関係を構築し、維持していくことが重要だ。まず、プロジェクトのメンバーが属するユーザー組織に働き掛けることを勧める。その組織内にプロジェクトのユーザーがいるなら、寄付を検討する可能性がある。ユーザーが誰もいないなら、検討しないだろう」
CommunityBridge Fundingでは、資金援助対象としての適格性について、各OSSプロジェクトに対する何らかの評価や「お墨付き」を行うわけでもない。同プラットフォームへの参加に際してLinux Foundation側で可否の判断はするが、厳格な条件があるわけではない。
さらに、参加するOSSプロジェクトは、Linux Foundation傘下でなくでもいいという。実際CommunityBridge Fundingには、2019年8月6日時点で、例えばApache OpenWhiskがリストされている。これでは、参加プロジェクトが増えて、取り止めがなくなってしまうのではないのか。
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