New Relicは2019年8月8日、コマツが可観測性プラットフォームの「New Relic」を採用したと発表した。2019年夏に、「スマートコンストラクション」事業のリアルタイム監視を開始する。
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New Relicは2019年8月8日、コマツが可観測性プラットフォームの「New Relic」を採用したと発表した。2019年夏に、「スマートコンストラクション」事業におけるユーザーアプリケーションのリアルタイム監視を開始する。当初は国内ユーザーに限定して適用。将来は世界中での展開を検討しているという。
スマートコンストラクションとは、建設機械メーカーであるコマツにおけるデジタルトランスフォーメーションへの取り組みの一つで、河川、造成、道路などの工事現場における省力化や工期短縮を図るソリューション。事前にドローンなどによって実施した測量データと設計データの差分から、施工手順とスケジュールを提示。これに基づく「ICT建機」の自動制御で、オペレーターの熟練度に左右されない施工を実施するという。
現場や現場事務所では、「スマートコンストラクションアプリ」を通じ、設計データと建機が収集する現況データの差分から自動算出される進捗を、日々管理できる。また、出来形の検査も自動化されており、合否判定結果をその場で見ることができるという。
New Relic日本法人によると、コマツはアプリ、アプリケーションインフラ、ユーザーの利用状況、ユーザー体験をリアルタイムで監視するため、New Relicを採用した。ユーザー体験を計測・可視化できる機能が、特に評価されたという。
コマツはNew Relicのプレスリリースに、「商品としてのソリューションだけでなく、その開発・運用体制の全体プロセスすらも随時最適化する文化へと変革する必要があった。そのためには部分的な可視化ツールではなく、デジタルビジネス全体を計測可能なモデルへと生まれ変わらせる必要があった」とのコメントを寄せている。
コマツはNew Relicによる情報を、スマートコンストラクションに関わる事業、開発、運用関連のさまざまなチームで共有する。これにより、ユーザー体験を監視し、障害原因やパフォーマンスボトルネック要因の究明につなげる。また、アプリケーションの迅速な改善に役立てる。顧客サポートによる問題解決は従来の30倍高速化し、ソフトウェアのテスト工程は従来の15%短縮できるという。
New Relic日本法人の小西真一朗社長によると、同ツールによりユーザーの利用状況を含めて可視化できることから、サービスの性能や品質の確保に留まらず、新機能に向けたヒントを得るなど、商品力の向上にもつながるという。
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