ITRが発表した国内PC資産管理市場規模の予測によると、2018年度の市場規模は、対前年度比6.8%増の94億円。2018〜2023年度の年間平均成長率は5.1%で、2023年度の市場規模は121億円の見込みだ。
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アイ・ティ・アール(ITR)は2019年9月12日、国内PC資産管理市場規模の推移と予測を発表した。それによると、2018年度(2018年4月〜2019年3月)のPC資産管理市場規模は、売上金額が対前年度比6.8%増の94億円。そのうち、パッケージ型は82億円、SaaS(Software as a Service)型は12億円だった。2019年度は同5.3%増の99億円(パッケージ型86億円、SaaS型13億円)を見込む。
ITRによると、2018年度の伸びをけん引したのは、2020年1月に予定されているWindows 7の延長サポート終了。企業ではこれに伴うWindows 10へのアップグレードやPCの買い替えが進んでおり、Windows 10導入後の運用/管理が課題になっているという。そこでPC資産管理製品の提供ベンダーは、そうした運用/管理に向けた機能の充実度を訴求して、市場を活性化している。ITRでは、2019年度もこうした需要が継続すると見ている。
一方、2018〜2023年度の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を5.1%と予測する。その結果、2023年度の市場規模は121億円(パッケージ型90億円、SaaS型31億円)に達する見込みだ。ITRによると、PC資産管理の導入には一巡感が出始めていることに加え、PCの出荷台数の伸びに鈍化傾向が見られるという。ただし、ソフトウェア配布の効率化などで今後もある程度のニーズがあると見られ、安定した伸びを示すと見ている。
ITRの取締役でリサーチ統括ディレクターとプリンシパル・アナリストを務める金谷敏尊氏は、「PCやPC管理の提供形態が多様化する中、SaaS型で調達する企業が徐々に増加すると予想する。今後、PC資産管理ツールの導入やリプレースを計画する企業は、パッケージ製品だけでなくSaaSを候補に加えて評価することを推奨する」と述べている。
なおPC資産管理は、クライアントPCの構成情報の取得と変更を管理する製品で、インベントリ収集やソフトウェア配布などの機能を備える。ソフトウェアのライセンスを正確に把握し管理するなど、法令を順守する目的でも活用されている。
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