クラウドベンダーは「もうサーバはいらない」のか 国内サーバ市場動向をIDCが調査台数微増も売上額微減

IDC Japanが発表した2019年第2四半期の国内サーバ市場動向によると、売上額は、対前年同期比6.0ポイント減。x86サーバは微減にとどまったものの、メインフレームとその他のサーバが2桁のマイナス成長で足を引っ張った。出荷台数は同2.5ポイント増だった。

» 2019年10月02日 08時00分 公開
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 IDC Japanは2019年9月30日、2019年第2四半期(4〜6月)の国内サーバ市場動向を発表した。売上額は、対前年同期比6.0ポイント減の1090億円。出荷台数は、同2.5ポイント増の12万台だった。

 売上額を製品別に見ると、x86サーバは微減にとどまったものの、メインフレームとその他のサーバが2桁のマイナス成長で足を引っ張った。具体的には、x86サーバの売上額は対前年同期比0.9ポイント減の929億円、メインフレームは同19.4ポイント減の106億円、その他のサーバは同39.7ポイント減の55億円だった。

画像 2019年第2四半期 国内サーバ市場シェア売上額ベース(出典:IDC Japan)

「Custom Server」の売上額がマイナス成長

 x86サーバの売上額がマイナス成長となった要因は、「Custom Server」の売上額がマイナス成長になったこと。x86サーバは、カタログに掲載され、標準的なマザーボードや筐体を採用した「Standard Server」と、主にクラウドサービス事業者がODMダイレクト(※注)などから調達するサーバでマザーボードや筐体が特定の顧客や用途向けに設計されたCustom Serverに分類される。Standard Serverの売上額は対前年同期比5.3ポイント増の809億円だったのに対して、Custom Serverは同29.0ポイント減の120億円だった。

※注:ODM(Original Design Manufacturer)は、他社ブランドでの設計・製造を担うメーカー。そのメーカーからユーザーが直接製品を購入することをODMダイレクトと呼ぶ

出荷台数減少はクラウドベンダーの「一休み」が原因?

 出荷台数は、x86サーバが対前年比2.8ポイント増の11万9300台。そのうち、Standard Serverは、流通や文教、金融、ヘルスケア、製造向けの大口案件があり、出荷台数は同10.2ポイント増の10万3800台。これに対してCustom Serverは、ODMダイレクトを中心にクラウドサービスベンダー向けの出荷が減少し、出荷台数は同29.0ポイント減の1万5500台だった。

 IDC Japanでエンタープライズインフラストラクチャのリサーチマネジャーを務める下河邊雅行氏は、「クラウドサービスベンダー向けの出荷が減少した背景として、主にグローバルクラウドサービスベンダーによる国内データセンターへのサーバ導入が、次の投資機会を前に一休みしたことが挙げられる」と述べている。

 一方、メーカー別売上額では、富士通が首位を維持した。シェアは21.2%だった。次いで、NEC(シェア18.2%)、日本ヒューレット・パッカード(同13.9%)、Dell Technologies(同9.3%)、IBM(同7.8%)の順だった。出荷台数では、首位はNEC。次いで、富士通、日本ヒューレット・パッカード、Dell Technologies、日立製作所の順だった。

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