アクセンチュアは、創造的破壊について調査した最新レポートを公開した。それによると、先進企業は創造的破壊を通じてイノベーションを促進していた。同社では、創造的破壊はイノベーションに向けた取り組みを促進するためのものだとしている。
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アクセンチュアは2019年10月2日、「Breaking Through Disruption: Embrace the Power of the Wise Pivot」を公表した。これは、18の業界にわたる1万社の上場企業を対象に、創造的破壊について調査したレポート。それによると、過去8年間に創造的破壊の規模拡大を経験した企業の割合は72%で、破壊の対象になっているビジネス価値は41兆ドルに上るが、先進企業は創造的破壊を通じてイノベーションを促進しているという。
アクセンチュアによると、2018年に実施した前回の調査結果によって「創造的破壊は偶発的に起こるものではなく、予測可能なパターンを持っていること」が分かったという。そして今回の調査では「創造的破壊は突然発生して短期間で収束するのではなく、長期にわたって継続すること」が明らかになったとしている。さらに、業界に関係する企業は創造的破壊による脅威を認識しており、調査対象となった18の業界全てで、創造的破壊に対する回復力が向上していた。
アクセンチュアの通信・メディア・テクノロジー事業グループのグループ最高責任者を務めるOmar Abbosh氏は次のように述べる。
「継続的な創造的破壊に対処するには、慣れ親しんだ事業戦略からの大胆な脱却が肝要だ。成功している企業は、破壊的技術の活用を進め、新しいアイデアを実証しながら、イノベーションの最先端にとどまり続ける方法を探ることで、創造的破壊を乗り切っている」
今回のレポートでは、大規模な創造的破壊が発生している業界にも、成功している企業があるとしている。その例として同レポートはMicrosoftを挙げた。同社は、従来の高収益事業であるWindowsビジネスをさらに強化しながら、人工知能やクラウドに投資するとともに、「ホロポーテーション」やリアルタイム音声翻訳、HIVワクチンまで、幅広い分野に投資している。
アクセンチュアは今回の調査結果を受けて、企業が独自の方法でイノベーションを起こして、創造的破壊を乗り切るために取るべき行動指針として、以下の4項目を挙げた。
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