ガートナー ジャパンによると、デジタルプロダクトマネジメントを採用しないベンダーは、今後2年以内に破壊のリスクにさらされるという。ベンダーは、新たな行動特性としてデジタルプロダクトマネジメントを採用すべきだとしている。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ガートナー ジャパンは2019年6月17日、「デジタルプロダクトマネジメントを採用しない技術やサービスのプロバイダーが、今後2年以内にディスラプション(創造的破壊)のリスクにさらされる恐れが高い」という見解を発表した。
ガートナーは、デジタルプロダクトマネジメントを「従来のプロダクトマネジャーの業務範囲を拡大した新しい領域だ」と説明する。同社のアナリストでディスティングイッシュトバイスプレジデントを務めるLars Van Dam(ラース・ファン・ダム)氏は、デジタルプロダクトマネジメントを導入し、これに投資する企業は、市場のシフトやディスラプションにうまく対応できる、と述べている。
「ソフトウェアやハードウェア、ソリューション、サービスといったいずれのベンダーであろうと、『デジタルプロダクトマネジメント』の採用は避けられない」(ダム氏)
ガートナーの調査によると、製品戦略を定義し、重要な意思決定に生かすために利用しているプロダクトマネジャーは16%だった。同社は、多くの企業が、戦略や設計、定量的な分析にはほとんど力を入れず、プロダクトマネジメントに過剰投資していると分析する。
ダム氏は「CEOの大半は、今後2年以内にビジネスモデルが変わると予測している。製品中心のオペレーティングモデルを採用したIT組織の80%は、2024年までにミッションの大幅な変更を余儀なくされる。プロダクトマネジャーは、価値がいかに認識され、創出され、消費されるかを根本的に見直す必要がある」と説明する。
ガートナーは、ビジネスモデルの変革と製品の成功を促す上で、次の5つの能力が必要だとしている。2023年までに、これら5つの能力を備えているプロダクトマネジメントチームの割合が、2019年の2%未満から35%に増加すると予測する。
ガートナーのアナリストでシニアディレクターを務める桂島航氏は、「ベンダーのビジネスは、クラウドやAI(人工知能)といったデジタル技術によって、破壊的な変化の時期を迎えている。この淘汰(とうた)の時代を勝ち抜くためには、デジタル技術を生かした製品とユーザーエクスペリエンスを創出する新しい仕組みが必要だ。プロダクトマネジメントの導入が遅れている日本のベンダーは、デジタル化に即した新しいプロダクトマネジメントの概念を理解して、グローバル企業に対する競争力を向上させる手段として活用すべきだ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.