ガートナー ジャパンは「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2019年」で、日本のITリーダーがデジタルビジネスを推進するに当たって重要なキーワードとして、40種類の技術やサービスなどを取り上げた。
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ガートナー ジャパンは2019年10月31日、「日本におけるテクノロジーのハイプ・サイクル:2019年」を発表した。そこでは、日本のITリーダーがデジタルビジネスを推進するに当たって重要なキーワードとして、40種類の技術やサービスなどを取り上げた。
例えば、「黎明(れいめい)期」には「メインフレーム・トランスフォーメーション」や「デジタル・メッシュ」「AIOpsプラットフォーム」などが挙げられた。そして「『過度な期待』のピーク期」には「5G」や「アジャイル・プロジェクト・マネジメント」などが、「幻滅期」には「モノのインターネット」や「人工知能」「ブロックチェーン」などが、「啓蒙(けいもう)活動期」には「ソーシャル・アナリティクス」や「クラウド・コンピューティング」などが取り上げられた。
ガートナーによると、日本では「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といった活動を進める企業が増えている一方で、「デジタル」への取り組みを始めたがうまくいかないといった声を挙げる企業がある程度存在するという。
同社はその要因として、新たな技術やサービスの変化が速いことに加え、それらが組み合わされることで複雑性が増して技術を使いこなす難易度が高くなっていることがあると分析している。今回ガートナーが挙げた40のキーワードは、こうしたデジタルに関わる活動を推進するITリーダーが押さえておくべき要素だという。
ガートナーの長嶋裕里香氏(マネージングバイスプレジデント)は次のように語る。
「2019年現在、例えば『IoT(モノのインターネット)』『人工知能』『ブロックチェーン』は、幻滅期に位置付けられている。概念実証(PoC)などの取り組みを通して、単に期待を抱いていたところからリアリティーに直面するようになった困難の表れだ。これは決して悪いことではなく、こういった時期だからこそ冷静に、基本に立ち返って技術の真価や導入時期、採用/導入領域を見極めるタイミングが訪れているともいえる。一方、『5G』に対する期待が『過度な期待』のピーク期に入ったと当社は評価した。これには、新たな技術の活用とその普及がもたらし得るさらなる破壊に対する期待が影響している」(長嶋氏)
なおハイプサイクルとは、各種キーワードと、実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓との関連性を、横軸に「時間の経過」、縦軸に「市場からの期待度」を置く2次元の波型曲線で視覚的に示したもの。
各キーワードが時間の経過とともに今後たどる道筋を、時間軸で予測する。キーワードとしては、例えば技術やサービス、関連する概念、手法などの認知度や成熟度、採用状況などが挙げられる。ガートナーでは、新しいキーワードが登場してから市場に受け入れられるまでは、総じて同じ経過をたどるとしている。
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