Microsoftは、オンデマンドでマネージド開発環境を提供する「Visual Studio Online」のパブリックプレビュー版を公開した。Visual Studio CodeやVisual Studioからも利用可能な他、内蔵のWebブラウザベースのエディタも利用できる。
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Microsoftは2019年11月4日(米国時間)、同日開幕した年次カンファレンス「Microsoft Ignite 2019」において、「Visual Studio Online」のパブリックプレビュー版を公開したと発表した。
Visual Studio Onlineは、オンデマンドでマネージド開発環境を提供し、長期プロジェクトで作業している場合はもちろん、短時間の機能ブランチ作業を進めたり、プル要求を素早く確認する必要があったりする場合に役立つ。
Gitリポジトリや拡張機能に加え、組み込みのコマンドラインインタフェース(CLI)を備えたWebブラウザベースのエディタを内蔵する。どのデバイスからでもアプリケーションを編集、実行、デバッグできる。
Webブラウザベースのエディタ以外にも、コードエディタ「Visual Studio Code」や統合開発環境(IDE)の「Visual Studio」からVisual Studio Onlineを利用できる。
Visual Studioで利用可能な機能は、現時点ではプライベートプレビュー段階にある。Microsoftは、WindowsベースのVisual Studio Online環境を構築する機能も導入しようとしており、これらの機能に興味がある場合は、プライベートプレビュープログラムに申し込むと、待機者リストに登録される。
Visual Studio Onlineの上記以外の主な特徴は次の通り。
Visual Studio Onlineを起動すると、開発に必要な全ての要素が自動的に構成される。ソースコードやランタイム、コンパイラ、デバッガ、エディタ、ドットファイルの構成、関連するエディタ拡張などだ。
Visual Studio Onlineでは開発環境の作成や破棄を高速に実行できるため、プロジェクトに参加する新しいチームメンバーへの迅速なオンボーディングが可能になる他、新しいスタックや言語、コードベースを、ローカル環境への影響を気にせずに試すこともできる。Visual Studio Onlineの開発環境は定義を共有するので、繰り返し作成でき、チームメンバー間の構成の違いもほぼなくなる(構成に違いがあるとバグの原因になりやすい)。
また、開発環境は完全に構成できるので、プロジェクトの要件に合わせて厳密にチューニングできる。
Visual Studio Onlineの開発環境は「Microsoft Azure」でホストされるため、次のようなクラウドのメリットを享受できる。
オンプレミス開発環境に投資済みの場合や、クラウドにワークロードを移行する準備があまり整っていない場合は、Visual Studio Onlineに自分のセルフホステッド環境を登録し、接続して、Visual Studio Onlineのメリットの一部を利用できる。この機能は無料だ。
Visual Studio Onlineでは、設定やテーマ、Git ID、ドットファイルがローミングされる。このため、どのマシンで作業していても、好みの外観でパーソナライズされたエクスペリエンスを得られる。
Visual Studio Online環境に接続後、通常のようにWebアプリケーションやAPIを実行すれば、ユーザーだけが開発環境にアクセスできるようになる。Visual Studio Onlineは、ユーザーが従来のローカル開発ワークフローと同様の作業ができるように動作する。つまりどこにいてもデバッグを容易に実行できる。
さらにMicrosoftは、近いうちにアプリケーションキャスティングもサポートする。この機能では、実行中のGUIアプリケーションをリモートで操作したり、共有したりすることが可能になる。
Visual Studio Online環境にはコラボレーションツール「Live Share」と「IntelliCode」が組み込まれており、プロジェクトでのリアルタイムコラボレーションが可能だ。何千ものオープンソースリポジトリのベストプラクティスに基づいたAI支援のコードレコメンデーションも利用できる。
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