Googleは、「Google Compute Engine」で提供する仮想マシンの新タイプ「E2」を発表した。E2は、信頼性の高い安定したパフォーマンス、柔軟性、低い総所有コストが特徴だ。大規模なインスタンスサイズやGPU、ローカルSSDが不要なN1ユーザーには、E2への移行を勧めるという。
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Googleは2019年12月12日(米国時間)、Google Cloud PlatformのIaaS「Google Compute Engine」で提供する仮想マシン(VM)に対して、新タイプ「E2」を発表した。E2は、「汎用(はんよう)マシンタイプ」ファミリーの新しいマシンタイプ。動的リソース管理による信頼性の高い安定したパフォーマンスや柔軟な構成、Googleが提供するVMの中で最低の総所有コスト(TCO)が特徴だ。
Google Compute Engineでは、ワークロードに合わせて、汎用マシンタイプの他に「メモリ最適化マシンタイプ」「コンピューティング最適化マシンタイプ」からVMを選択できる。これまでの汎用マシンタイプでは、「N1」と「N2」という2種類を用意していた。
今回のE2は現在、β版である。E2は同等構成のN1に近いパフォーマンスを提供し、次のような特徴を備えている。
E2 VMは、業界標準のIntelまたはAMDのx86互換プロセッサをベースにしているため、コードの変更や再コンパイルを行うことなく利用できる。
Webサーバやビジネスクリティカルなアプリケーション、中小規模データベース、開発環境など幅広いワークロードに適している。Googleによれば、「既存のN1で円滑に稼働しているワークロードがあるものの、大規模なインスタンスサイズやGPU、ローカルSSDが不要な場合」は、E2への移行を考えるとよい。
「極めて要求の厳しいワークロード以外については、E2は、N1と同様のパフォーマンスを大幅に低い料金で提供できるだろう」(Google)
E2 VMは、レイテンシ要件の厳しいGoogleサービス用に開発されたリソースバランシング技術を使用する。つまり、ハードウェアリソースを有効利用することでコストを抑えており、低料金の形で還元しているという。
さらに、GoogleのカスタムCPUスケジューラーとパフォーマンスを考慮したライブマイグレーションにより、パフォーマンスに重点を置くとともに、リソース共有に関連する問題からワークロードを保護している。
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