Microsoftは、クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「November 2019」リリース(バージョン1.41)を公開した。検索機能やカーソルなどを改善した。
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Microsoftは2019年12月12日(米国時間)、WindowsやmacOS、Linuxに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「November 2019」リリース(バージョン1.41)を公開した。
VS Code バージョン1.41では、エディタ機能やワークベンチ、検索、統合ターミナル、言語関連などに数多くの改良がある。主な改良点は以下の通り。
全文検索において、タイピングに応じて検索結果が更新されるようになった。この機能は、複雑な正規表現クエリの作成のようなシナリオで特に便利だ。
この例では、TypeScriptのオプショナルチェイニング構文を採用するための正規表現の検索/置換クエリの作成に役立っている。
ファイルエクスプローラーでは、1つの子を持つフォルダが、コンパクトな形でレンダリングされるようになった。具体的には、集約されたツリー要素として、折り畳んで表示することが可能になった。
「explorer.compactFolders」の設定で、この挙動を制御できる。この設定はデフォルトで有効化されている。
編集可能な2つのエディタを比較する場合(ファイルエクスプローラーから2つのファイルを比較する場合、グローバル検索&置換を実行する場合など)、左側が編集可能および保存可能([Ctrl]+[S]キー)となった。
事前定義されたフィルターが「問題」パネルに追加された。問題を種類(エラー、警告、情報)でフィルタリングしたり、現在のアクティブファイルの問題だけを表示したりすることができる。
VS Codeの設定で、アクティブファイルの問題を知らせるメッセージをステータスバーに表示できるようになった。
この機能を有効にするには、「problems.showCurrentInStatus」設定を有効にする必要がある。
「問題」パネルのフィルターボックスの位置を、パネルの位置やサイズに応じて調整できるようになった。
ミニマップ(コード概要)でエラーや警告がインラインで強調表示されるようになった。新しい「minimap.errorHighlight」と「minimap.warningHighlight」のテーマカラーでこれらの修飾を変更できる。
下の例では、カンマの抜けが強調されている。
下の例では、内容変更を示す修飾が、行番号の脇の余白に表示されている。
内容変更を示す修飾の色は、以下の設定で変更できる。
ターミナルで色を使うアプリケーションは、テキストに次の色を使える。
問題は、「アプリケーションが、デフォルトの背景色や前景色が分からない」「アプリケーションが使用する色とそれらのコントラストが適切かどうか分からない」ことだ。この問題を解決するため、ターミナルは、特定のコントラスト比を満たすようにテキストの前景色を動的に変更できるようになった。
1〜21の範囲で、希望するコントラスト比に前景色を設定できる。
// 4.5 is recommended for baseline website accessibility "terminal.integrated.minimumContrastRatio": 4.5
ターミナルの色は、コントラスト比が満たされるまで、あるいは前景色が#000000または#ffffffになるまで、輝度が増減する。
HTMLタグの編集時に「ミラーカーソル」が使えるようになった。その挙動は、「html.mirrorCursorOnMatchingTag」設定で制御される。この設定はデフォルトで有効だ。
ミラーカーソルは、カーソルがHTMLタグの名前の範囲内に移動すると、該当するタグに複数のカーソルが追加される機能だ。マルチカーソルモードと同様に、単語単位で一括して削除や選択を行える。ミラーされたカーソルは、カーソルがタグの名前範囲から外に移動すると、削除される。
TypeScript 3.7のおかげで、VS CodeはJavaScriptとTypeScriptでオプショナルチェイニングを標準でサポートするようになった。その中には、構文の強調表示とIntelliSenseが含まれる。
さらにVS Codeは、オプションプロパティの完了を受け入れる際に、自動的に「?.」を挿入できる。
「?.」の自動挿入が行われるかどうかは、厳密なnullチェックが有効化されているかどうかに左右される。「?.」の自動挿入は、「typescript.suggest.includeAutomaticOptionalChainCompletions」または「javascript.suggest.includeAutomaticOptionalChainCompletions」の設定で無効にできる。
新しい「Extract to interface」リファクタリング機能により、インラインタイプをインタフェースに迅速に抽出し、再利用できる。
下の例では、「Neural」インタフェースが「keyes」インタフェースから抽出されている。
リモート開発を支援する拡張機能の開発が進んでいる。この拡張機能を導入すると、コンテナやリモートマシン、WSL(Windows Subsystem for Linux)を、全ての機能を備えた開発環境として利用できる。
バージョン1.41での機能ハイライトは以下の通り。
2019年11月にパブリックプレビュー版が公開された「Visual Studio Online」では、クラウドに開発環境を構築し、VS Code、ブラウザベースのエディタ、Visual Studio IDEから利用できる。
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