Windows 10の機能更新プログラムで削除される機能、開発が終了した機能[バージョン1909版]企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内(65)

Windows 10の機能更新プログラムでは新機能が追加される一方で、以前は利用できた機能が削除されたり、将来削除される可能性のあるリストに追加されたりします。企業のクライアントとしてWindows 10を利用している場合は、利用中の管理機能やセキュリティ機能が削除されることを事前に知り、代替策を用意することが重要です。

» 2020年01月16日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内」のインデックス

企業ユーザーに贈るWindows 10への乗り換え案内

Windows 10で削除または廃止予定の機能の一覧

 「Windows 10」の特定の機能更新プログラム(バージョン)から削除された機能、および開発が打ち切られ、将来的に削除される可能性がある機能については、以下のドキュメントで確認することができます。機械翻訳の場合があるので、正確な情報については英語のドキュメントで確認することをお勧めします。

 「Windows 7」や「Windows 8.1」にはあって、Windows 10で削除された機能に関しては、以下のドキュメントで説明されています。

 これらのリストは、具体的にWindowsのどの機能を指しているのか、明確でない場合もあります。また、「Microsoftペイント」(mapaint.exe)のように、Windows 10 バージョン1703で既に削除されたように書かれていても、リストの詳細列に書かれてあるように、完全なローカライズ版(日本語版を含む)のWindows 10については最新のWindows 10 バージョン1909でも標準搭載されており、利用可能なものもあります。

 このリストと実際の状況が異なる場合でも、削除された機能としてリストアップされているものについては、利用できる/できないに関係なく“利用できないもの”として考えた方がよいでしょう。

 一方、開発が打ち切られた機能については、機能が削除されるまではこれまで通り利用できる場合もありますし、既に正常に機能しなくなっているものもあります。

製品のバグが、その後の機能削除につながることもある

 Windows 10の登場、あるいはその後のWindows 10の機能更新プログラムによって、それまで機能していたものが、正常に動作しなくなるという不具合が発生することがあります。

 こうしたケースは、新しい機能更新プログラムのリリース直後には分かりようがないことであるため、企業クライアントとしてWindows 10を利用する場合は、新しい機能更新プログラムをすぐに全社展開はせずに、一定期間の検証期間を設け、利用している機能に影響がないかどうかを調査することが重要です。影響する場合は、不具合としてフィードバックする、あるいは修正されるまでの代替策を検討する必要があります。

 しかし、製品の不具合としてMicrosoftにフィードバックしたとしても、修正されることなく、その機能自体が削除されることがあります。

 例えば、Windows 10 バージョン1703から削除された機能の一つに「Interactive Services Detection(UI0Detect)」サービスがあります。これは「Windows Vista」で導入された「セッション0の分離」に対する互換性機能を提供するサービスであり、Windows 10 バージョン1607までは存在しましたが、サービスを開始しようとしてもエラーで失敗するという問題がありました。

 その後、「UI0Detect」サービスはWindows 10 バージョン1703で削除されることになりましたが、それ以前のWindows 10には機能しない状態で存在し続けています。このサービスはサポート期間中の「Windows 10 Enterprise LTSB 2015」「Windows 10 Enterprise LTSB 2016」「Windows Server 2016」にも存在しますが、正常に機能することはありません。

 同じような例に、Windows 10 バージョン1803で開発が打ち切りとなった「ソフトウェアの制限のポリシー(SRP)」があります。SRPは、実行可能なアプリケーションを許可/禁止できるセキュリティ機能です。「Windows XP」から導入され、Homeを除く全てのエディションで利用できます。

 Windows 10 バージョン1607およびWindows Server 2016までは、以前のバージョンのWindowsと同じようにSRPが期待通りに機能します。しかしながら、Windows 10 バージョン1703以降では、発生条件はよく分かりませんが、機能する場合と全く機能しない場合が生じるようになりました。

 その後、SRPの機能はそのまま「グループポリシー」内に残されましたが、開発打ち切りとされました。SRPの機能は存在しますが、Windows 10 バージョン1703以降、およびその後のWindows Serverでは事実上、利用できない機能になりました(画面1)。

画面1 画面1 Windows 10 Pro バージョン1909でSRPのポリシーで「メモ帳」と「レジストリエディター」の実行を禁止してみたが、ブロックされることはない

フルバックアップとWindows To Goの機能性は健在

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