機能が進化するWeb/ビデオ会議クラウドのZoom、2020年中にクラウドPBX、大阪データセンターを提供へ国内顧客数は半年で1000社増

新型肺炎との関連でも注目されるクラウドWeb/ビデオ会議サービスのZoomが2020年3月5日、日本における事業の状況と、製品の進化について説明した。2020年中にクラウドPBXサービスを提供開始する。また、大阪データセンターを稼働開始し、高度な可用性ニーズに対応するという。

» 2020年03月06日 14時35分 公開
[三木泉@IT]

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 新型肺炎との関連でも注目されるクラウドWeb/ビデオ会議サービスのZoomが2020年3月5日、日本における事業の状況と、製品の進化について説明した。

 日本カントリーゼネラルマネージャーの佐賀文宣氏によると、日本国内の顧客数は、2019年7月時点では約2500社だったが、ほぼ半年後の現在は3500社以上に増加した(中小企業を対象とした「ビジネス」プラン以上を利用している顧客数)。また、2019年の売り上げは、2018年と比較して3倍に達したという。

Zoomというと、Webブラウザやアプリで参加できる「Zoom Meeting」の印象が強いが、一方でプラットフォーム的な側面も持つ

 Zoomは日本で、これまで大手企業を顧客に持つシステムインテグレーター/ディーラーを販売パートナーとして、日本市場の開拓を進めてきた。加えて2020年2月には、SB C&Sが国内初の同社ディストリビューターとなった。これにより、「中小企業や地方の企業など、顧客との接点が増える」と佐賀氏は話した。また、Polyなどの会議室用機器メーカーとの連携を通じ、会議室用のサービスである「Zoom Rooms」の販売を強化するという。

 サービス関連では、世界18カ国で提供している「Zoom Phone」を、2020年中に国内で提供開始するという。これは「Skype Call」や「LINE通話」を企業向けにしたようなクラウドPBXサービス。内線通話をIP化し、管理および利用をZoom MeetingやZoom Roomsと一体化できる。外線通話機能についても、同時に提供開始するという。

 Zoom Phoneが実現すれば、Zoomは国内でも本格的に「企業向けのユニファイドコミュニケーションプラットフォーム」と呼べるようになる。

 また、可用性を向上するため、2020年中に大阪データセンターの運用を開始するという。

ブースや機材なしで同時通訳を可能に、議事録作成機能なども開発中

 Zoomはクラウドサービスである利点を生かし、新機能を継続的に追加している。Zoom JapanシニアSEの安田真人氏は、このうち同時通訳支援機能、「ライブトランスクリプション」(リアルタイムの書き起こし機能)、「ミーティングタイムライン」(議事録自動作成機能)などについて説明した。

同時通訳が提供されている場合、一般参加者はZoom上で言語を選択することにより、好みの言語で聞くことができる

 既に提供開始している同時通訳支援機能では、特定のミーティング参加者を「(特定言語の)通訳」として設定しておくと、この人がZoom Meetingを通じて発言者の音声を聞きながら行う同時通訳の音声を、一般参加者が画面上の言語選択によって聞けるようになる。一般的な同時通訳では、ブースや機材を用意しなければならないが、これが不要になるメリットがあるという。Web/ビデオ会議だけでなく、リアルなミーティングの同時通訳にも活用できる。

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