シスコシステムズは、同社が提供するアプリケーション性能監視ツール「AppDynamics」の新機能など、2つの新機能と1つの新製品を発表した。
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シスコシステムズは2020年4月21日、オンラインで実施した記者発表会で、同社のアプリケーション性能監視ツール「AppDynamics」の新機能など、2つの新機能と1つの新製品を発表した。これらは2020年第2四半期中に提供開始予定だ。
同社代表執行役員社長のデイヴ ウェスト氏は「事業継続の重要性は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行するこの状況下で日々高まっている。事業継続を成功裏に行う上で、中核を担うのがビジネスアプリケーションだ。現代世界において、与えられた仕事を着実にこなすためには、ビジネスアプリケーションがきちんと機能する必要がある」と語り、シスコが提供するAppDynamicsを活用することで、ユーザーエクスペリエンスを保つことができると述べた。
AppDynamicsは2017年3月に同社が買収したアプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)製品だ。アプリケーション、インフラストラクチャ、データベース、ネットワーク、ブラウザなど、システムに必要とされるコンポーネントの性能を管理、分析できる。
今回発表されたのは、AppDynamicsの新機能「AppDynamics Experience Journey Map」と、「Cisco Intersight」(シスコインターサイト)の新機能「Cisco Intersight Workload Optimizer」、自社製品と連携する「Cisco HyperFlex Application Platform」の3つだ。
また、同日よりAppDynamicsのテクニカルサポートセンターを日本に開設することも発表。営業、マーケティングチームの編成強化など、日本でのセールス強化を積極的に行う方針を示した。
さらに、新型コロナウイルス感染症による事業への影響を踏まえ、本番環境用ライセンスを100エージェントに対し無料で貸与する「AppDynamics COVID-19プログラム」の受け付けも同日に開始した。
AppDynamics Experience Journey Mapは、アプリケーション内でユーザーがたどる経路を自動追跡し、顧客動向や満足度を視覚的に認識できる機能だ。重大な障害が発生した際も、原因となった箇所をひと目で確認できるため素早く修復作業に入ることができるという。
Cisco Intersight Workload Optimizerは、クラウドベースでインフラストラクチャをPCやスマートフォン上で管理できるCisco Intersightの新機能だ。アプリケーションとインフラストラクチャのパフォーマンスとコストのバランスを他社製品も含めて分析、可視化して最適化するという。
さらに、Cisco Intersight Workload Optimizerが管理するインフラストラクチャ視点のデータとAppDynamicsが管理するビジネス視点のデータを連携させることで、サーバのCPUの不足や過剰を、ユーザー体験の動向を確認しつつ比較、計測でき、コストの最適化を図ることができるという。
同社執行役員 データセンター/バーチャライゼーション事業担当の石田浩之氏は次のようにコストの最適化を図るプロセスを例示した。
「ユーザーエクスペリエンスが良好でも、サーバのCPUが過剰に投資されており、実際の負荷の最大値を大幅に上回ってインフラ投資がされているということがあれば、ユーザーエクスペリエンスを良好に保ちつつ、インフラ投資を抑えられるラインを測定して示すことで、インフラコストを削減できる。反対に、サーバのCPUが不足しているため、ユーザーエクスペリエンスが悪化している場合は、ユーザーエクスペリエンスを良好に保てるラインを示すため、それをクリアできる状態にインフラ投資をすることで、アプリ性能を改善できる」
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