Office 365のサービスとアプリがMicrosoft 365に改称Microsoft Azure最新機能フォローアップ(107)

Microsoftは2020年4月22日から、「Office 365」ブランドで提供していた主要なサブスクリプションサービスおよびアプリを「Microsoft 365」ブランドに統合し、名称を変更しました。Office 365およびMicrosoft 365サブスクリプションはMicrosoft Azureのサービスに依存するものがあるため、本連載で変更点をお伝えします。

» 2020年05月14日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「Microsoft Azure最新機能フォローアップ」のインデックス

Microsoft Azure最新機能フォローアップ

「Office 365」ブランドが「Microsoft 365」ブランドに統合

 Microsoftの「Office 365」は、Officeアプリ(Ofice 365 ProPlusなど)およびOffice Serverのクラウドサービス(Exchange Online、SharePoint Onlineなど)をサブスクリプション契約で提供するサービスです。前身となった「Microsoft Business Productivity Online Services(BPOS)」の後継として2011年にサービスが開始され、改善や機能拡張が行われてきました。

 その後、Office 365と同等のサービスとアプリに加え、高度な管理機能やセキュリティ機能、「Windows 10 Enterprise」(大企業向けプランのみ)を含む中小規模および大企業向けの「Microsoft 365」サービスの提供が2017年8月から始まりました。

 WindowsやmacOSにインストールして使用する永続ライセンス製品のOfficeアプリと、Officeアプリとクラウドサービスからなるサブスクリプション契約であるOffice 365の両方が「Office」という名前を冠していることは、しばしば利用者を混乱させることがありました。また、Microsoft 365とOffice 365の違いも分かりにくいものでした。

 Microsoftは2020年4月22日から、これまで「Office 365」ブランドで提供してきた主要なサービスとアプリの名称を「Microsoft 365」(マイクロソフト・スリー・シックスティ・ファイブ)ブランドの下に統合し、価格はそのままに、サービスやアプリの名称を変更しました。

 例えば、個人向けの旧「Office 365 Solo」は新名称「Microsoft 365 Personal」に、中小企業向けの「Office 365 Business」の各プランは「Microsoft 365 Business」の新しいプランに移行されます。ただし、今回は大企業向けの「Office 365 F1/E1/E3/E5」は名称やプランの変更は行われず、継続販売されます(教育機関向けA1/A3/A5、政府機関向けG1/G3/G5」も同様)。

サブスクリプション版Officeアプリは「Microsoft 365」アプリに

 Officeアプリは永続ライセンス/サブスクリプションの両方とも「Office 2016」や「Office 2019」で区別することもありますが、サブスクリプション版は「Office 365」ブランドの名称が付いています(Office 365 Solo、Office 365 Business、Office 365 ProPlusなど)。

 Office 2016(内部バージョン16)以降は「YYMM」(YYは西暦下2桁、MMはビルド完成月)の形式の共通のバージョン番号を持ち、月次チャネル(Monthly Channel)は毎月、半期チャネル(Semi-Annual Channel、SAC)は6カ月ごとに新バージョンに更新されます。

 サブスクリプション版には新バージョンで新機能が追加されますが、半期チャネルはセキュリティ更新とバグ修正だけが行われるという違いもあります。

 また、Windows向けのOfficeアプリは現在は「クイック実行(Click-to-Run、C2R)」版がほとんどですが、従来の「Windowsインストーラーパッケージ(MSI)」版とC2R版の2種類のインストール形式の違いもあります。

 同じOfficeバージョンでありながら、名称の違いや新機能追加の有無、インストール形式の違い、そしてインストール形式の違いに由来する更新方法の違いなど、最近のOfficeアプリは非常に分かりにくい状況にありました。

 Office 365のサービスとアプリがMicrosoft 365ブランドに統合されたことで、サブスクリプション版のOfficeアプリも「Microsoft 365」という名称に変更されます。中小規模向けの「Office 365 Business」は「一般法人向けMicrosoft 365」に、大企業向けの「Office 365 ProPlus」は「大企業向けMicrosoft 365」に変更されます。

 この名称変更は、月次チャネルに2020年4月30日(日本時間)に提供された「バージョン2004」で行われました(画面1画面2)。半期チャネルでの新名称への変更は、2021年1月にリリースされる予定の「バージョン2008」からになるでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「Windows 7」サポート終了 対策ナビ

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。