日本ヒューレット・パッカードは2020年5月14日、Kubernetesによるコンテナ基盤ソフトウェア、「HPE Container Platform」を同日に国内で提供開始したと発表した。企業における統合データ分析基盤として推進するという。
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日本ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard Enterprise、HEP)は2020年5月14日、Kubernetesによるコンテナ基盤ソフトウェア、「HPE Container Platform」を同日に国内で提供開始したと発表した。同社はこれを、データ分析基盤構築・活用支援サービスと組み合わせて提供する。なお、同製品は、米国などでは2020年3月に提供が開始されている。
Kubernetesベースの企業向けコンテナ基盤製品は複数のベンダーから提供されているが、新製品では「全方位的でなく、当社が強みを持つ分野に注力していく」と、日本ヒューレット・パッカード ハイブリッド IT 事業統括 製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏は説明した。その強みとは、企業におけるデータ分析/機械学習/AIのための全社的な基盤構築およびプロセスの確立支援にあるという。
日本ヒューレット・パッカードは、コンテナ基盤製品として、Red Hatの「Red Hat OpenShift Container Platform」も提供している。ではこの2つのすみ分けはどのようになるのか。HPE Container Platform は、社内ITインフラ基盤のコンテナ移行よりも、全社データ分析基盤の構築を喫緊の課題と考えているような、組織や担当者に向けた製品だと、同社ハイブリッドIT 事業統括 プロダクトアーキテクト統括本部 製品技術本部 本部長の中井大士氏は話している。
こうした用途から、新製品は主にオンプレミスでの利用を想定する。加えてパブリッククラウドやエッジなどでも稼働するため、これらのプラットフォームにまたがる統合データ分析基盤を構築できるという。HPEでは、エッジ、オンプレミス、クラウドにまたがる統合管理機能を開発中で、今後提供の予定だとしている。
HPE Container Platformは、Kubernetesによるコンテナ環境を物理サーバ上で動かすソフトウェア。基本的にコミュニティー版のKubernetesを、HPEがサポートする形をとっている。これにBlueDataおよびMapRの買収で得た技術/製品を組み合わせた。既存の外部データも統合できる。
BlueDataは、コンテナ上にHadoop、Sparkなどのビッグデータワークロードをオンデマンドで展開し、データ分析/機械学習/AIなどの作業を迅速化する基盤ソフトウェアを提供してきた企業。BlueDataは自社の技術に基づき、「KubeDirector」という、データベースなどのステートフルなアプリケーションのコンテナ化を容易にするオープンソースプロジェクトを始めており、買収後はHPEとしてこのプロジェクトをリードしている。今回の製品には、KubeDirectorが含まれる。また、同じくBlueDataの技術による、GPUを用いたI/O高速化機能が使える。
MapRは、HDFS/NFSインタフェースを通じて使えるビッグデータストレージソフトウェア。これを今回の製品の中核的要素に加えることで、単なるコンテナ基盤ではなく、ビッグデータの管理・分析基盤として設計している。さらに、Hadoopや永続ストレージなど、既存の外部データソースを移行せずに利用できる機能も備えている。
HPE Container Platformでは、マルチテナント機能も特徴の一つ。Active DirectoryやLDAP、SAMLといった認証システム/プロトコルに対応し、テナントごとの管理画面も提供する。
新製品はハードウェアから独立したソフトウェア製品として導入できる。一方、同社のハードウェア製品と組み合わせた参照設計を提供し、ソフトウェア/ハードウェア/支援サービスの一体的な提供を進めるという。また、統合機械学習ライフサイクル管理製品、「HPE ML Ops」と組み合わせたライセンスも提供するという。
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