私は、負けたくない――グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回も、中国出身の蔡樺さんにお話を伺う。紙モデルで培ったものづくりへの喜びをエンジニアとして開花させた蔡さんが今後日本でやってみたいことは、なんと「ケーキ作り」だった!
国境を越えて活躍するエンジニアたちにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。前回に続き、「playground」(プレイグランド)で働く蔡樺(サイ・カ)さんにお話を伺う。
紙モデルを作ったときの達成感が忘れられなかった女の子は、やがて日本でものづくりにまい進する――短期間でサービスをローンチし、プライベートではケーキ作りを夢見るサイさんの日常、そして彼女が考える日中の学生の「勉強」の違いとは。聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
前編:「紙モデル」は、完成したときの達成感がめっちゃ高いんです
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) playgroundでは最初、インターンとして働き始めたんですね。
蔡樺(サイ・カ、以降、サイさん) はい。早稲田大学大学院情報生産システム研究科に入学したのが2017年の4月で、7月からplaygroundで働き始め、バイト料がもらえました。
阿部川 どうやって、この会社を見つけたのですか。
サイさん オンラインの求人サイトです。そのころフレームワークの研究に関して、教授から「Ruby on Railsを勉強しなさい」といわれていたんです。そうしたらここの求人に「Railsができる人募集」と書いてあったので、ちょうどいいと思いました。面接してくれた方が非常に魅力的で、「この人の下で働いてみたい」と思えた人でした。それはラッキーでした。
そうそう。最初のころ、隣に座っていたのがとてもたくさんしゃべる人で、めちゃうるさいと思っていました。何でこの人こんなにうるさいんだろうって。1カ月くらいたってから気付いたんですが、それが社長の伊藤でした(笑)。
阿部川 よかったじゃないですか、となりに社長が座っていて(笑)。インターンのころは、どんな仕事をしていたのですか。
サイさん そのころは、やりたいことや単語を固定化してワークフローを定型化したりする、いわゆるworkflow managementアプリを使って、アプリの中に自分だけのワークフローを作成する、といったことをやっていました。単純に言えば、ここに(といってPCを立ち上げ、デモしてくれる)「sleep」と入力すると、自動的にPCが終了する、といったことです。これで何かやりたかったかというと、ここで「git create」と入力すると、GitHubで自動的にワークフローが作られる、といったような機能がほしかったのです。
最初のころはこのような、あると仕事が効率的にできる小さなツールやアプリケーションを結構造りました。Slackで「出勤」と打つと出勤時間が記録される、といったツールも作りしました。これらは小さい仕事ですが、結構達成感があります。みんなが使ってくれるとうれしいですね。
阿部川 紙モデルで培われた「達成感」は、ここにつながりましたね(笑)。
サイさん そうですね。このような仕事は、周期が短く、ある時間内で自分がどれだけできたのか成果が分かるので、楽しく作れます。このようなツールはメンターをしてくれた方がお好きだったので、入社してからも結構、一緒に作りました。
阿部川 そして、2019年の3月に大学院を修了して、4月から正社員として入社。入社してからほぼ1年ぐらいですよね。毎日、どのような仕事をなさっているのですか。
サイさん 最近は「Shopify」と「Quick Ticket」の連携に関する開発をやっています。Shopifyは、誰でもオンラインショップをオープンできるECサイトサービスで、Quick Ticketと連携するとショップで発券できるようになります。
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