IBMは、AIでIT運用を自動化し、コントロール性、効率性、ビジネス継続性を向上させる「IBM Watson AIOps」などを発表した。
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IBMは2020年5月5日(米国時間)、ITインフラに自動化をもたらし、コントロール性、効率性、ビジネス継続性を向上させる「IBM Watson AIOps」と各種製品のアップデートを発表した。
IBM Watson AIOpsは、企業がITインフラの異常に対して自己検知、診断、対応をする課程をAI(人工知能)で自動化する。CIO(最高情報責任者)が将来をより適切に予測、形成したり、価値の高い仕事にリソースを重点的に投入したり、長時間稼働が可能なネットワークを構築したりするのに役立つよう設計したという。
IBM Watson AIOpsは、エンタープライズ対応のKubernetesコンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift」で構築されており、ハイブリッドクラウド環境全体で動作する。「Slack」や「Box」など、コラボレーションツールなどと連携する他、「Mattermost」や「ServiceNow」のようなIT監視製品との連携も可能だ。
またIBMは、「Cloud Modernization」サービスの新しいAI機能「Accelerator for Application Modernization with AI」も発表した。
この新機能は、顧客がアプリケーションのモダナイゼーションに関する全体的な労力とコストを削減できるよう設計されている。包括的なモダナイゼーションの取り組みを最適化する一連のツールを提供し、アーキテクチャやマイクロサービスに関するさまざまなオプションの分析、提案を迅速化する。
継続的な学習と解釈可能なAIモデルを活用し、顧客が望むソフトウェアエンジニアリングプラクティスに適応するとともに、技術やプラットフォームの進化にも対応していくとしている。
さらにIBMは、経営計画、業務、コールセンターの自動化を支援する以下の製品のアップデートも発表した。
データとAIのための統合プラットフォーム「IBM Cloud Pak for Data」をアップデートし、ビジネスにすぐ利用できる重要データへのアクセスをビジネスリーダーが自動化するのに役立つ新機能を多数追加した。
例えば、事業の企画立案、予算の策定および予測を自動化できる「IBM Planning Analytics」や、オンプレミス環境で「IBM InfoSphere Master Data Management」にアクセスできる「IBM InfoSphere Master Data Connect」などのDataOps機能を拡張機能としてIBM Cloud Pak for Dataに追加している。
自動化アプリケーションを設計、構築、実行するためのソフトウェア「IBM Cloud Pak for Automation」をアップデートし、デジタルワーカー自動化製品をより簡単に構築できるようにした。
デジタルワーカーは定型業務を自動化し、人間と協力して業務を遂行する。この新機能により、データの取り込み、タスクの自動化、業務プロセスの制御などのスキルを容易にデジタル化(自動化)できるという。
AIベースの対話プラットフォーム「IBM Watson Assistant」も、大量の知識を要する複雑な対話をインテリジェントに自動化し、業務コストを削減しながら顧客満足度向上を推進するのに役立つようアップデートされた。
ユーザー体験に基づくベストプラクティスにより設計されたユーザーインタフェースが事前に組み込まれている。このインタフェースは、導入のための開発作業が不要だ。
またIBM Watson Assistantは幾つかの主要な顧客サービスプラットフォームと新たに統合された。これにより、顧客が過去に行った統合されたサービスへの投資は無駄にならず、ユーザーは簡単にライブエージェントに接触できる。
新しい「自動学習」機能も、2020年夏にIBM Watson Assistantに組み込まれる予定だ。この機能は、過去の顧客行動から学習し、同じトピックの新しい質問に対して最も関連性が高く最適な回答を提供する。人間の担当者が顧客との対話から学習し、時間とともに成長するのと同じように、仮想アシスタントが自動学習により、能力を高めていくことが期待できるという。
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