オンプレミスに限らず、Microsoft AzureなどのIaaSでWindows Serverを運用している企業は多いと思います。その場合、品質更新プログラムはどのように運用しているでしょうか。2020年春、自動更新のオプションにWindows Server 2016/2019向けの新しいオプションが追加されました。
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「Windows Server 2016」および「Windows Server 2019」の「デスクトップエクスペリエンスインストール」は、「Windows 10」とほぼ共通のWindows Updateを搭載しています。機能更新プログラムへの対応や更新後の自動ログオン、オプションの更新プログラムの「ダウンロードとインストール」機能など、一部のWindows 10向け機能は利用できませんが、毎月の第2火曜日(米国時間)の品質更新プログラムのダウンロードとインストールについては共通です。また、自動更新による運用や「Windows Server Update Services(WSUS)」による更新管理も可能です。
常時稼働であることが多いサーバ(Windows Server)は、自動更新やそれを完了するための自動的な再起動は適さない場合があります。そのため、メンテナンス日を設け、管理者が手動で更新プログラムの確認からダウンロード、インストール、再起動までを実施しているところは多いでしょう。手動更新であれ、自動更新であれ、デスクトップエクスペリエンスインストールのWindows Server 2016/2019の場合、再起動を必要とする更新プログラムのインストール後に再起動せずに放置しておくと、アクティブ時間(既定は8:00〜17:00)外に自動的に再起動されてしまいます(画面1)。
WSUSを利用している場合は自動更新を有効にして、「グループポリシー」で自動的な再起動を制御しているかもしれません。例えば、グループポリシーを使用すれば、「最大7日間」まで再起動を猶予することは可能です(「自動更新と再起動の期限を指定する」ポリシー)。
「自動的な再起動をさせない」という直接的なポリシーはありませんが、ユーザーがログオン中は自動的な再起動を行わせないようにすることは可能です(「スケジュールされた自動更新のインストールで、ログオンしているユーザーがいる場合には自動的に再起動しない」ポリシー)。問題は、サーバに常にユーザーがローカルまたはリモートで対話的にログオンしているとは限らないということです(画面2)。
その他の更新管理ソリューションを利用している場合は、そのソリューションが提供する機能で再起動の制御が可能です。例えば、「Windows Admin Center」を利用すると、再起動の開始時刻のスケジュールを詳細に設定できます。Azureポータルの「Azure Update Management」(更新プログラムの管理、Windows Admin Centerに統合可能)を利用すると、Azure仮想マシンやオンプレミスの仮想マシンへの更新プログラムのスケジュール展開と、再起動の制御(再起動させないことも可能)が可能です(画面3、画面4)。
「自動更新を構成する」ポリシーで自動更新ではなく、通知オプションを利用している場合は、新しい選択肢「7 - 自動ダウンロード、インストール時に通知、再起動を通知」(Windows Server 2016の場合は「7 - Auto Download, Notify to install, Notify to Restart」)が利用可能になっていることをご存じでしょうか(画面5)。
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