新型コロナウイルス感染症対策として配布されている接触確認アプリ「COCOA」のAndroid版に不具合があった。陽性者と接触しても通知されない状態だった。
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厚生労働省は2021年2月3日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として配布している接触確認アプリ「COCOA(COVID-19 Contact-Confirming Application)」のAndroid版に不具合があったことを明らかにした。
COCOAは、スマートフォンの近接通信機能を利用して、感染した人(陽性者)と1m以内に15分以上近づいていた場合、その旨を通知する。不具合は、こうした条件に該当する接触があっても、接触として検知や通知をしていなかったというもの。ごく短時間の接触など、上記条件に該当しない陽性者との接触があった場合に、通知してしまう不具合も見つかった。
厚生労働省によると、COCOAの不具合は、2020年9月28日のバージョンアップから発生した。アプリを配布する前に実施するテストは、接触通知APIから出力される値を用いて模擬的に実施していたという。
ところが陽性者と接触しているはずの人に通知が届かなかったとの報道があり、厚生労働省で実機を用いて動作を検証したところ、Androidでは接触通知APIから出力される値が想定と異なっていた。このため、接触が正しく通知されなかったという。厚生労働省は「COCOAの開発、保守運用事業者に対して品質管理の徹底を指示し、同省でも十分に検証した上でアプリの納品を受けられるように専門家の増員を図る」としている。
COCOAは、Android版とiOS版が配布されているが、不具合はAndroid版のみで発生していた。厚生労働省は「現在アプリの改修を進めており、2021年2月中旬に不具合を修正したバージョンを配布する」としている。修正版が配布されるまでは正しく通知を受けられないが、修正版にバージョンアップした後には、接触記録に基づき、14日前までに陽性者との接触があった場合には通知が届くという。
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