Microsoftは、クロスプラットフォームエディタ「Visual Studio Code」の最新版「January 2021」リリース(バージョン1.53)を公開した。ワークベンチやデバッグ、ノートブック、言語、拡張機能作成、ドキュメントなどの機能が強化されている。
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Microsoftは2021年2月4日(米国時間)、WindowsやLinux、macOSに対応するクロスプラットフォームのエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)の最新版「January 2021」リリース(バージョン1.53)を公開した。
VS Codeバージョン1.53では、ワークベンチやデバッグ、ノートブック、言語、拡張機能作成、ドキュメントなどの機能が追加、改善されている。
ワークベンチでは、タブ内の複数行表示やタブの修飾、デフォルト検索UI、コード補完プラグイン「Emmet」などに改善が施されている。
タブ内の複数行表示では新しい「workbench.editor.wrapTabs」設定を用いる。使用可能なスペースを超えたとき、スクロールバーを表示する代わりにタブ内を複数行で折り返し表示できるようになった。なお、タブ内のスペースが小さくなり過ぎた場合は、折り返しが一時的に無効になり、スクロールバーが再び表示される。
2つの新しい設定が加わり、エディタのタブにgitステータスや診断のような装飾を表示するかどうかを決められるようになった。
「workbench.editor.decorations.colors」設定では、タブを色で装飾できる。エラーや警告を含むファイルかどうかを赤と緑の色分けで示す、といったことが可能だ。
「workbench.editor.decorations.badges」設定では、gitの変更を「M」で示すなど、タブをバッジで装飾できる。
「search.mode」設定が新たに加わり、ファイル内検索やエクスプローラーのフォルダ内検索、コンテキストメニューのワークスペース内検索といったコマンドで、どのような検索UIを使うのかを設定できるようになった。構成オプションは次の通り。
これまでは、キーバインドを編集することで既定の検索UIを構成することが推奨されていたが、不要となった。今回の設定を用いれば、これらのキーバインドを削除できる。
EmmetがHTMLやCSSファイルでより高速に動作するようになった。さらに拡張機能が最新のEmmetを使うことで、カウントダウンのような機能がサポートされるようになった。
次の例では、大きなHTMLファイルでのカウントダウンの場合、Emmetの展開性能が20倍に高まったことが分かる。
デバッグ関連では、JavaScriptデバッガの改善やworker_threadsのサポートが加わった。
まず、条件付き例外のブレークポイントがJavaScriptでサポートされた。現在スローされている例外は「error」変数に入る。
次に、「Node.js」のworker_threadsのデバッグがサポートされた。
ノートブックの改善では、ノートブックセルがアウトラインペインやパンくずリスト(ブレッドクラム)に表示されるようになった。全体像がつかみやすくなり、ノートブック内で素早くナビゲートできるようになった。
言語関連の改善では、マークダウンプレビューの自動更新がある。埋め込みイメージがディスク上で変更された場合、マークダウンプレビューが自動的に更新されるようになった。
外部プログラムを使って、あるいはソース管理操作(ブランチの切り替えなど)によって、画像を編集した際に自動更新される。
拡張機能のオーサリングにも改善があった。拡張機能の作成者向けに一連の詳細な拡張機能ガイドラインが新たに用意されている。このガイドラインは、VS Codeのユーザーインタフェースに貢献するためのベストプラクティスや、通知と状態更新の規約などをカバーしている。
次の例は、コマンドの追加によってコマンドパレットを改善する際の注意事項を示している。
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