Azure Database for MySQLで2020年9月からプレビュー提供されていた「停止/開始」機能が正式版になりました。開発やテストのためにAzure Database for MySQLを利用している場合は、データベースの未使用時に停止することで、コンピューティング料金を節約できます。
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「Azure Database for MySQL」は、フルマネージドMySQLデータベースを提供する「Microsoft Azure」のPaaS(Platform as a Service)の一つです。MySQLデータベースのサーバを簡単にセットアップし、クラウドアプリのためのMySQLデータベースとして利用できます。フルマネージドであるため、アプリ開発者は、サーバやデータベースを管理する必要がなく、アプリ開発に専念できます。
Azure Database for MySQLの料金は、コンピューティング、ストレージ、バックアップ、冗長化オプションによって決まります。2020年9月からパブリックプレビューが始まり、2021年2月初旬に一般提供が開始されたサーバの「停止/開始」機能を利用すると、データベース未使用時のコンピューティング料金を節約できます。
Azure Database for MySQLを停止するには、「Azureポータル」でAzure Database for MySQLのサーバの「概要」ページを開き、「停止」をクリックします。停止されたサーバのMySQLデータベースに対してコンピューティング料金は課金されず、ストレージ(バックアップを含む)料金の課金だけになります。利用を再開するには「開始」をクリックします(画面1)。
開発やテストのためにAzure Database for MySQLを利用している場合は、業務時間外などMySQLデータベースの未使用時に停止することで、開発にかかるコストを抑制できます。「停止/開始」操作はAzure CLIでも実行できるため(az mysql stop/start……)、「Azure Automation」などと組み合わせることで「停止/開始」を自動化することも可能です。
Azureには、SQL ServerベースのPaaSおよびIaaS(Infrastructure as a Service)として「Azure SQL」があります。
Azure Database for MySQLと同様のフルマネージドデータベースのPaaSである「Azure SQLマネージドインスタンス」は、Azure Database for MySQLのような「停止/開始」機能を提供していません(画面2)。
もう一つのフルマネージドサービスのPaaSである「Azure SQLデータベース」では、単一データベースで「サーバレス」コンピューティングを選択した場合に、「自動一時停止」オプションを有効にすることができます。
「自動一時停止」オプションを有効にすると、指定した期間、非アクティブになるインスタンスを一時停止させ、再びアクティビティーが発生すると自動的に再開させることができます(画面3)。この機能と「仮想最大コア数/仮想最小コア数」を組み合わせることで、コンピューティング料金を効率よく節約できます。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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