Microsoftは、2023年3月1日にMicrosoft AzureのIaaSにおける「仮想マシン(クラシック)」の提供を終了します。まだ2年ありますが、もう2年しかないとも言えます。「仮想マシン(クラシック)」で複雑な環境を運用している場合は、テストや移行に時間を要するかもしれません。速やかに移行の検討を開始した方がよいでしょう。
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Microsoftは2014年から、それまでの「Azure Service Manager」または「Azure Service Management」(ASM)と呼ばれるデプロイモデルを置き換える「Azure Resource Manager」(ARM)でのIaaS(Infrastructure as a Service)を開始しました。
ASMベースを「仮想マシンV1」、ARMベースを「仮想マシンV2」と呼ぶこともありますが、現在の標準であり、推奨されるのはARMベースの仮想マシンです。ASMベースは「仮想マシン(クラシック)」と呼びます。
「仮想マシン(クラシック)」は、2020年2月末から新規作成ができなくなっており、ASMを介した管理もそれ以降、非推奨になりました。非推奨であっても、作成済みの「仮想マシン(クラシック)」は引き続き利用可能ですが、「2023年3月1日」にはサービスが完全に廃止される予定です。
2023年3月1日には、「仮想マシン(クラシック)」は起動できなくなり、稼働中のものは停止され、割り当てが解除されます。その後、「仮想マシン(クラシック)」が残っているサブスクリプションに対しては、リソースが削除されるまでのタイムラインが通知されることになっています。
比較的シンプルなデプロイ環境の場合は、Azureポータルの「仮想マシン(クラシック)」ページにある「設定」の「ARMへの移行」から、数クリックで簡単かつ短時間で移行することができます(画面1)。
移行は選択された仮想マシンが接続されている仮想ネットワークに、同様に接続された全ての仮想マシンに対して一括で実施されます。事前検証で問題がない場合、移行は完全に自動で行われます。
まず、ステップ1ではリソースの移行が可能かどうかが検証されます。このとき、仮想ネットワークに接続される全ての仮想マシンとそれにひも付いた「クラウドサービス」が移行対象としてリストアップされます(画面2)。
ステップ2では、「クラウドサービス」に依存せず、「リソースグループ」に依存するARMベースの仮想マシンのために、移行先となるリソースグループ名(以前の「クラウドサービス名-Migrated」)が準備(まだ作成されていません)されるので確認します(画面3)。
最後のステップ3で「はい」と入力して、「コミット」をクリックします。筆者の3台の仮想マシン(割り当て解除済み)の場合、15分以内に移行が完了しました。以前の「クラウドサービス」は削除され、新しい「リソースグループ」に仮想マシンが移行されます。仮想マシン名や仮想ネットワーク名など、その他の名称は以前のものが引き継がれました(画面4)。
ARMベースの仮想マシンへの移行が完了したら、起動して問題がないかどうかを確認します。ARMベースに移行することで、ASMで利用できなかったさまざまな新機能が利用可能になります。
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