人気ランキング「TIOBEインデックス」で「C」が首位、「Python」「Groovy」の評価が大きく上昇Javaは2位ながら評価が低下

TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2021年2月版では、常連の「C」「Java」「Python」「C++」「C#」が1〜5位を占めた。

» 2021年02月24日 16時00分 公開
[@IT]

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 ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは2021年2月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。

 「C」言語が16.34%のレーティングで首位を獲得し、「Java」「Python」「C++」「C#」が2〜5位を占めた。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示すランキングで、同社が毎月更新している。変動幅(ポイント)は2021年1月時点の調査からの差を示す。

TIOBEインデックス(2021年2月版)から1〜20位を示した(出典:TIOBE Software

 各言語のレーティングを今回の調査の1年前に当たる2020年2月と比べるとこうなる。ポイントの上昇幅が大きかった言語は、Python(1.52ポイント増)、Groovy(1.08ポイント増)、C++(0.71ポイント増)の3つだ。一方、Javaのレーティングは6.07ポイント減と大きく落ち込んだ。なお、今回のレーティング首位となったC言語も0.43ポイント減だった。

TIOBEインデックス1〜10位の推移を示した(出典:TIOBE Software

上位の8言語は固定している

 TIOBE SoftwareのCEOを務めるポール・ジャンセン氏は「TIOBEインデックスの上位8言語はこの7年間、変わっていないが、Cを除けば、各言語の新バージョンが活発にリリースされている」と指摘する。

 「例えば、C#はほぼ毎年、アップデートされている。JavaScriptは改訂のサイクルが速く、ついていくのが困難だ。C++のアップデートは3年に1回だが、最新リリースで導入されたモジュールは、C++プログラミングに大きな変化を起こしそうだ」

 その一方でTIOBEインデックスの9位と10位は、上位8言語ほど固定されていないとも指摘する。「この12カ月でSQLやアセンブリ言語、R、Groovy、Go、Swiftがこの順位に入った。この中からトップ10に定着する言語が出てくるのかどうかが見ものだ」(ジャンセン氏)

21位以下のランキングも分かる

 同社は2021年2月のTIOBEインデックスについて、21〜50位のランキングも非公式に公開している。

TIOBEインデックス(2021年2月版)の21〜50位を示した(出典:TIOBE Software

 51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。

 4th Dimension/4D、ActionScript、Arc、Avenue、Awk、B4X、bc、Bourne shell、C shell、CFML、Clojure、Common Lisp、Crystal、cT、Elm、Emacs Lisp、Erlang、F#、Factor、Forth、Hack、Icon、Inform、Io、J、Korn shell、Maple、Mercury、ML、MQL4、NATURAL、OCaml、Occam、OpenCL、OpenEdge ABL、PL/I、PostScript、Q、Racket、Ring、RPG、S、Scheme、Simulink、Snap!、Solidity、SPARK、SPSS、Tcl、Verilog。

主要言語の人気の長期的な盛衰は?

 TIOBE Softwareは、TIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語と、知名度の高い3言語について5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でJava、Python、JavaScript、PHPが、過去10年でRが、大きく順位を上げたことが分かる。CとC++の息の長い人気も目立つ。

13言語の5年ごとのTIOBEインデックスを示した(出典:TIOBE Software
「今年のプログラミング言語」の変遷(出典:TIOBE Software

TIOBEインデックスは言語の優劣を示すものではない

 TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。

 なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。

 同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。

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