ガートナー ジャパンは、新たなネットワークへの移行に関する2021年の展望を発表した。2024年までに新たなネットワークへの移行が進み、クラウド型セキュリティゲートウェイを採用する企業が60%を超えるという。
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ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は2021年3月1日、新たなネットワークへの移行に関する2021年の展望を発表した。同社は「2024年までに新たなネットワークへの移行が進み、クラウド型セキュリティゲートウェイを採用する企業が60%を超える」と予測している。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による在宅勤務者が増えたことや、企業によるパブリッククラウドの利用が拡大していることなどを背景に、ガートナーは「企業内のLANやインターネットのトラフィックが増大しており、既存のネットワークにさまざまなボトルネックが生じている」と指摘する。
ガートナー ジャパンのアナリストでバイス プレジデントを務める池田武史氏によると、「こうしたトラフィックの変化に対応する選択肢としてクラウド型セキュリティゲートウェイが採用されており、新たなネットワークへの移行が始まっている」という。
ガートナーが日本国内の企業を対象に2020年9月に実施した調査によると、COVID-19が企業ネットワークに与える影響に対処するために優先した作業のトップ3は、「インターネット接続の契約帯域の増速」「セキュリティゲートウェイ機器のクラウド型への移行」「VPN装置の増強」だった。
2020年1月に実施した同調査では、クラウド型セキュリティゲートウェイを採用した企業は10%程度だったが、「COVID-19の影響によってクラウド型セキュリティゲートウェイの採用が加速しており、2024年までには採用企業が60%を超える」とガートナーは予測する。
「在宅勤務環境を整備したり、クラウド型オフィスアプリケーションを利用したりする企業は今後増えるだろう。その際、処理性能とセキュリティのバランスを取りながら、さまざまな接続を俊敏に変化させることが重要だ。クラウド型セキュリティゲートウェイは、こうした新たなネットワークに移行する上で重要な役割を担う」(池田氏)
ただ、企業のネットワークを従来のオンプレミス中心からクラウド中心に移行させるには、多くの困難が伴うとガートナーは指摘する。その影響を把握しておかなければ適切に移行できなくなる恐れがあるとし、移行を進めるに当たって事前に知っておくべき5つのポイントを挙げた。
「IT部門は大きな変化を理解しつつも、今すぐに解決すべき課題への対処を優先することが重要だ。在宅勤務環境を支えるクラウド型のリモートアクセスVPNへの移行や、トラフィックが集中しがちなプロキシを提供するクラウド型ゲートウェイなどから導入し、新たなネットワークへの移行を始めるといいだろう」(池田氏)
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