AWSジャパン、無償でクラウド移行を包括支援する「ITトランスフォーメーションパッケージ」を発表企業のクラウド移行、検討から実施までを支援

AWSジャパンは、クラウド移行を包括支援する「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ」を発表した。評価、計画立案、移行フェーズに合わせたプログラムを提供し、企業のクラウド移行プロジェクトを支援する。

» 2021年04月23日 09時30分 公開
[荒岡瑛一郎@IT]

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 アマゾンウェブサービスジャパン(AWSジャパン)は2021年4月20日、クラウド移行支援プログラム「AWS ITトランスフォーメーションパッケージ(ITXパッケージ)」を発表した。企業がクラウド移行を進める際の評価、計画立案、移行フェーズを一気通貫で支援する。

 同日の記者説明会で、同社の佐藤有紀子氏(事業開発統括本部 本部長)と、瀧澤与一氏(技術統括本部 レディネスソリューション本部 本部長)が、ITXパッケージの支援概要を説明した。

AWSジャパン 技術統括本部 レディネスソリューション本部 本部長 瀧澤与一氏 AWSジャパン 技術統括本部 レディネスソリューション本部 本部長 瀧澤与一氏
AWSジャパン 事業開発統括本部 本部長 佐藤有紀子氏 AWSジャパン 事業開発統括本部 本部長 佐藤有紀子氏

企業がクラウド移行でつまずくポイントを支援

 佐藤氏は企業のクラウド移行のステージを「PROJECT(パイロットプロジェクト)」「FOUNDATION(複数プロジェクト)」「MIGRATION(全社的なクラウドの利用)」「REINVATION(新規ビジネスの創出)」という4つに分類した上で、ITXパッケージ提供の背景を次のように述べた。

 「企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する中で重要となるのが、ステージ3のクラウド利用だ。クラウド移行の支援を推進する中で、人材の育成やプロジェクトの推進で課題を感じている企業が多いことから、日本独自のITXパッケージを提供することにした」(佐藤氏)

クラウド移行のステージ(出典:AWSジャパン) クラウド移行のステージ(出典:AWSジャパン)

 ITXパッケージは、評価、移行フェーズでAWSジャパンが提供してきた既存プログラム「AWS Migration Acceleration Program(MAP)」に計画立案フェーズを追加して提供する日本独自のパッケージだ。

 具体的には、評価フェーズのクラウド移行のTCO(総保有コスト)を分析する「クラウドエコノミクス」、技術面と非技術面で現状を分析する「マイグレーションレディネスアセスメント」、移行フェーズの一部費用をAWSクレジットとして還元するMAPの支援内容と、計画立案フェーズにおける人材育成や組織立ち上げの支援を組み合わせることで、包括的にクラウド移行を支援する。

 「ITXパッケージを通じて企業のクラウド移行にまつわる課題を解決し、クラウド移行の次のステップであるDXを最短距離で実現させることを目指していく」(佐藤氏)

ITXパッケージの全体像(出典:AWSジャパン) ITXパッケージの全体像(出典:AWSジャパン)

原則無償で人材育成、組織立ち上げを支援

 ITXパッケージについて「利用者がどこに課題を持っているか評価フェーズでアセスメントを実施し、必要なサービスを原則無償で提供していくというのが今回の特徴」だと述べ、佐藤氏は支援内容を説明した。

クラウド推進組織「CCoE」の立ち上げ支援

 「Cloud Center of Excellence(CCoE)」は、AWSが設立を推奨するクラウド活用の計画立案、実行、運用の中核を担う組織。佐藤氏は「CCoEの立ち上げがクラウド移行のカギになる」と述べた。

 「CCoEはインフラ担当のみならずセキュリティ担当やオペレーション担当などさまざまなメンバーで構成されていることが望ましく、同時にエグゼクティブスポンサーの存在やリーダーシップが重要だ」(佐藤氏)

 CCoEを構成する人材の育成や技術的課題を解決するために、AWSの技術知識を身に付けるAWSトレーニングの利用券3人分を無料で提供する。またCCoEの設立を支援するため、評価フェーズでの分析結果を基に改善策や解決案の提示をするAWSプロフェッショナルサービスの利用料を一部支援する。

成功体験を得られるパイロット移行を支援

 クラウド移行のイメージをつかむため、パイロット移行の実施を支援する。クラウド移行の難易度が低くクラウドとの適合性が高い対象プロジェクトを選定し、ワークショップ(EBA)でクラウド移行を体験する。これにより技術的支援だけでなく、部門横断型のプロジェクト管理など「マイグレーションとクラウド活用の成功体験を獲得することを目的としている」と佐藤氏は述べた。

 「クラウド移行においてはアジャイルなアプローチによる導入を推奨している。クラウドの特性を生かし、必要な機能を小さな範囲で確実に移行を進めていくアプローチだ。従来の大規模なクラウド移行は綿密な計画が必要で後戻りができなかったのに対し、移行期間を加速できる。最初は簡単な領域から進め、だんだんと複雑な領域へと広げることで、移行プロジェクトの計画、推進の加速に役立つはずだ」(佐藤氏)

体験型ワークショップの概要(出典:AWSジャパン) 体験型ワークショップの概要(出典:AWSジャパン)

Customer Solutions Managerによる並走

 全社的なクラウド移行は計画立案から移行まで長期間に渡る。そこでAWSジャパンのCustomer Solutions Manager(CSM)が並走する体制を用意する。計画立案フェーズから移行フェーズにかけて、CSMが企業の抱える課題や疑問点などの解消を支援したりプロジェクトの進行に関するアドバイスをしたりする。

 「AWSは豊富なマイグレーション実績があり、この実績に基づいて今後もベストプラクティスを提供していく」(瀧澤氏)

クラウド移行を支援するCSMの支援内容(出典:AWSジャパン) クラウド移行を支援するCSMの支援内容(出典:AWSジャパン)

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