NIRA総合研究開発機構は「第4回テレワークに関する就業者実態調査」の結果を発表した。テレワーク利用率は2020年6月以降横ばいで、所得が高くなるほどテレワーク利用率が高くなる傾向があった。
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NIRA総合研究開発機構は2021年5月6日、慶應義塾大学経済学部の大久保敏弘研究室と共同で実施した「第4回テレワークに関する就業者実態調査」の結果を発表した。テレワーク利用率は2020年6月以降横ばいで、所得が高くなるほどテレワーク利用率が高くなる傾向があった。
今回の調査は第1〜3回調査の回答者1万5569人を対象に2021年4月10〜25日に実施した。回収数は9494件で、回答率は61%だった。
今回の調査によると、2021年4月第1週のテレワーク利用率は全国が16%、東京圏が28%で、2020年6月以降は横ばいだった。産業別に見ると、テレワーク利用率が高いのは「通信情報業」と「情報サービス・調査業」で、どちらも45%を超えていた。それに対してテレワーク利用率が低いのは「農業・漁業・林業・水産業」「運輸業」「医療・福祉」「飲食業・宿泊業」だった。
所得別に見ると、所得が高いほどテレワーク利用率が高くなる傾向があった。年収300万円未満ではテレワーク利用率が10%未満だったのに対して、年収800万円以上では30%を超えていた。
2021年4月時点の出社頻度は、「週5日以上」の割合が64%、週2〜4日が28%、週1日以下が7%。緊急事態宣言が出されると出社頻度は低下し、解除されると増加する傾向にあった。テレワークの利用頻度は、2020年9月以降緩やかに増加している。「週5日以上」テレワークを利用している割合は23%、週2〜4日が56%、週1日以下が21%だった。
ICTツールについては、2020年6月以降コミュニケーションを円滑化するための活用が伸びているものの、他には大きな変化は見られなかった。メンタルヘルスについては2020年3月から2021年4月にかけて改善傾向が見られた。ただし、年齢階層による違いが大きく、特に40歳代以下は50歳代以上に比べて悪い状態にあることが分かった。
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