ITシステムのDX対応状況を評価、IPAがツールの提供を開始76項目で評価

IPAは、企業が自社ITシステムのDX対応状況を詳細に評価できるツールを提供開始した。「プラットフォームデジタル化指標」の評価項目に対して回答を記入すると点数化してグラフ表示する。ITシステムの問題点の可視化を支援する。

» 2021年09月28日 08時00分 公開
[@IT]

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 情報処理推進機構(IPA)は2021年9月27日、企業が自社ITシステムのDX(デジタルトランスフォーメーション)対応状況を詳細に評価できるツールの提供を開始した。IPAのWebサイトからダウンロードできる。同ツールは、IPAが策定した「プラットフォームデジタル化指標」の評価項目に対して回答を記入すると点数化してグラフ表示する「Microsoft Excel」形式の評価表。ITシステムの問題点の可視化を支援する。

 プラットフォームデジタル化指標は、ITシステムの問題があることを把握した企業や、現行システムに問題があってDX対応が困難な企業が、ITシステムをより詳細に評価して問題点の可視化を支援するためにIPAが策定した指標。評価項目は76項目ある。今回IPAが提供を開始したツールはこの76項目について、企業がその評価結果を集計、分析する作業を省力化する。

プラットフォームデジタル化指標の構成(IPAのプレスリリースから引用)

 同ツールの分析結果によって、ITシステム全体の問題点や、業務/部門レベルのシステムである「機能システム」別の問題個所、DXに求められるITシステム要件としてのデータ活用の度合い、デジタル技術の活用度合い、現行ITシステムの技術的負債の度合いなどを明確にできる。再構築や廃止、機能凍結の対象とするITシステムの明確化や優先順位といった経営判断に役立てられる。

 ツールの利用方法は次の通り。

 ITシステム全体や、機能システム単位に設定された評価項目に対して回答を記入すると、点数が集計され、結果がグラフに表示される。ITシステム全体では財務、組織の状況や全社でのデータ共有状況など、機能システム別では各システムの特性やDX対応に求められる要件、ITシステム品質やIT資産の健全性などの設問を設定した。76の評価項目のうち、問題のありそうな機能システムのみや、DX対応に求められる要件といった特定の評価項目に絞って実施することも可能だ。

 ITシステム全体の評価結果は、「機能システム間の独立性」「データ活用の仕組み「運用の標準化」「プロジェクトマネジメント/品質」「セキュリティ、プライバシー」「CIO(最高情報責任者)、デジタル人材」という6軸のレーダーチャートで表示する。これに対して機能システム別では、「データ活用性」「アジリティ」「スピード」「利用品質」「開発品質」「IT資産の健全性」の6軸のレーダーチャートで表示する。

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