経済産業省は、「DXレポート2.1(DXレポート2追補版)」を公表した。2020年12月に公表された「DXレポート2(中間取りまとめ)」を補完するもので、デジタルトランスフォーメーション(DX)後の産業の姿やその中での企業の姿を示しているという。
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経済産業省は2021年8月31日、「DXレポート2.1(DXレポート2追補版)」(以下、DXレポート2.1)を公表した。
DXレポート2.1は、2020年12月に公表された「DXレポート2(中間取りまとめ)」を補完するもの。デジタルトランスフォーメーション(DX)後の産業の姿やその中での企業の姿を示すとともに、既存産業の企業がデジタル産業の企業への変革を加速させるための政策の方向性を取りまとめている。
DXレポート2.1は、ユーザー企業とベンダー企業の「変革に向けたジレンマ」について指摘している。
既存産業において、ユーザー企業は委託によってコストを削減し、ベンダー企業は受託によって低リスクで安定したビジネスというメリットを享受している。ユーザー企業とベンダー企業の間には、一見Win-Winの関係があるように見えるが、デジタル時代では両者とも必要な能力を獲得できず、実際には「デジタル競争の敗者」となる低位安定の関係性になっているという。
こうした点を踏まえてDXレポート2.1はデジタル産業の姿と企業変革の方向性を示している。
「デジタル産業のあるべき姿とは『データとデジタル技術を駆使して新たな価値を産み出し、デジタル社会の実現に必要な機能を社会にもたらすこと』だ。これを実現するには、企業それぞれが持つ価値を結び付ける必要性がある。そのため、デジタル産業の業界構造は、既存産業のようなピラミッド型ではなく、ネットワーク型の構造になるべきだ」(DXレポート2.1)
デジタル産業を構成する企業は、その特色から以下の4つに類型化できるという。
経済産業省は、既存産業の企業をデジタル産業の企業へと変革させる施策を進めるとしている。その施策の一つが「デジタル産業指標(仮)」と「DX成功パターン」の策定だ。
デジタル産業指標(仮)は、4つの企業類型を詳細化し、企業類型ごとに企業が自社の成熟度を評価できる指標を定めたもの。DX成功パターンは、目指すべきデジタル産業の姿に向けて、そこに至る企業の変革の道筋を抽象化したパターンとして整理したものとなる。
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