Linux Foundationはオープンソース人材の採用やトレーニングの動向に関する年次報告書の最新版「The 2021 Open Source Jobs Report」を公開した。採用担当者がどのような人材の採用を増やそうとしているのかが分かる。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
オープンソースを通じたイノベーションの促進を目指す非営利組織Linux Foundationは2021年9月20日(米国時間)、オープンソース人材の採用やトレーニングの動向に関する年次報告書の最新版「The 2021 Open Source Jobs Report」を公開した。
Linux Foundationはオンライン教育を提供するedXと共同で2021年6〜7月に、世界各国の大企業や中小企業、政府機関、人材派遣会社の200人以上の採用マネジャーと、世界各国の750人以上のオープンソースプロフェッショナルを対象に、人材採用に関するニーズや選好の調査を行い、その結果を同報告書にまとめた。
Linux Foundationは、IT人材の採用やトレーニングを取り巻く現状を次のように要約している。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の前からIT人材は不足していたが、パンデミック下でテレワークが広く普及し、クラウドネイティブ技術の導入が加速したことで、IT人材不足が深刻化している。こうした中、クラウドへの移行ニーズを満たし、移行に関連するオープンソース技術を活用する上で、既存スタッフのトレーニングも一段と重要になっている」
クラウドネイティブのスキルに対する需要の高まりは、Linux Foundationトレーニング&認定プログラムからも分かるという。Kubernetesの認定試験の受験者は、2020年上半期には2019年と比較して4倍となった。さらに、2021年の上半期にはその数がさらに43%増加しており、2019年上半期から2021年にかけて、Kubernetes認定資格の需要が455%増加したことになる。
これは、Kubernetesに貢献する開発者が着実に増加していることとも一致している。過去3年間で貢献者が88%増加しているからだ。この1年間で、Kubernetesはコミュニティーの関心を大きく集め、ソーシャルメディアチャネルで14万8000以上の言及があった。
COVID-19のパンデミックで人材採用のペースは鈍化したものの、雇用主の間でオープンソース人材の需要は依然として高い。同報告書のハイライトは次の通り。
・採用マネジャーの50%が、今後6カ月間に、過去6カ月間と比べてオープンソース人材の採用を増やそうと計画している
・採用マネジャーの88%が、認定資格を持つプロフェッショナルの採用を、優先事項と位置付けている。この割合は2020年の調査の57%から大きく上昇した
・採用マネジャーの97%が、オープンソース人材の採用を2021年の優先事項と位置付けている。採用マネジャーによる認定資格を持つオープンソース人材を求める傾向が、これまで以上に強まっている
「人材採用に関する決定に最も影響する技術は何か」という問いに対する採用マネジャーの回答(複数回答可)は、次のようになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.