TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2021年10月版では、20年間で初めて「Python」が初めて首位に立った。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは、2021年10月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示すランキングで、同社が毎月更新している。今回は「Python」が11.27%のレーティングを獲得し、首位となった。Pythonが首位に立ったのは、2021年7月に20周年を迎えたTIOBEインデックスの歴史の中で初めて。これまでに首位になった言語は、「C」と「Java」の2つだけだった。
2〜5位の言語(レーティング)と2020年10月比のレーティングの変動は次の通り。
・C(5.79ポイント減の11.16%)
・Java(2.11ポイント減の10.46%)
・C++(0.57ポイント増の7.50%)
・C#(1.10ポイント増の5.26%)
CとJavaは上位50言語の中で、レーティングの下降幅が最も大きい2言語だった。
一方、「C#」と「Visual Basic」「Classic Visual Basic」の3言語は、レーティングの上昇幅が2020年10月比で1ポイントを超えた。
TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は「Pythonはシンプルなスクリプト言語として、『Perl』の代替としてスタートし、成熟してきた。学習がしやすく、膨大なライブラリが提供されており、あらゆる分野で広く使われるようになり、今では最も人気のあるプログラミング言語となっている」と述べた。
公開されたTIOBEインデックスの内容は次の通り。
TIOBE Softwareは今回のTIOBEインデックスについて、21〜50位のランキングも非公式に公開している。
51〜100位のプログラミング言語については、順位の差が比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
ABC、ActionScript、Alice、Applescript、AspectJ、AutoLISP、Awk、B4X、Bash、bc、Bourne shell、C shell、CFML、CIL、Clipper、ECMAScript、Eiffel、Elm、F#、Haxe、Icon、Inform、Io、JScript、Korn shell、LabVIEW、Lingo、M4、ML、MQL4、Nim、NXT-G、Occam、OpenCL、OpenEdge ABL、Oz、PostScript、Q、Racket、REBOL、REXX、Ring、RPG、S-PLUS、Simulink、SPSS、Vala/Genie、Verilog、Xojo、XSLT。
TIOBE SoftwareはTIOBEインデックスの過去12カ月の平均順位における上位10言語と、知名度の高い4言語について5年ごとの順位もまとめている。過去20〜25年でPython、Java、C#、「JavaScript」が大きく順位を上げている。Cと「C++」も根強い人気を保っている。
TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニアや学習講座、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した25種類の検索エンジンなどが使われている。
なお、TIOBEインデックスは「どのプログラミング言語が優れているか」「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは説明している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.