「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、並列クエリのワーカーの利用情報を出力する方法について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_exec_query_parallel_workers」における、並列クエリのワーカーの利用情報を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016以降です。
SQL Serverでは、クエリを実行する場合に、内部で自動的に複数のスレッドを使用した並列処理を行う場合があります(並列クエリ)。並列クエリでは、SQL Serverは複数のプロセッサを使用して複数の計算やデータ操作を同時に行えますので、並列処理を行わない場合と比較して高速にクエリを実行できる場合があります。
SQL Serverでは、クエリ実行要求はタスクとしてワーカーに渡され、ワーカーにスレッドが割り当てられて実行されます。ワーカー数の上限は、SQL ServerインスタンスとNUMA(Non-Uniform Memory Access)ノードで決められています。
並列処理されないクエリの場合、クエリ実行要求に割り当てられるワーカーは1つです。並列クエリの場合には複数のワーカーが使用されるため、並列クエリが多数実行される環境では多くのワーカーが使用され、ワーカー数が不足する場合があります。
「sys.dm_exec_query_parallel_workers」動的管理ビューを出力することで、NUMAノードに割り当てられたワーカーの使用中の数、未使用の数などの情報を確認できます。
なお、SQL Serverの設定によって並列処理の並列数の上限を設定することは可能ですが、クエリ実行に並列処理を明示的に指定することはできません。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
node_id | int | NUMAノードID |
scheduler_count | int | このノード上のスケジューラの数 |
max_worker_count | int | 並列クエリのワーカーの最大数 |
reserved_worker_count | int | 並列クエリによって予約されているワーカーと、全ての要求で使用されるメインのワーカーの数 |
free_worker_count | int | タスクで使用可能なワーカーの数 全ての着信要求は、少なくとも1つのワーカーを使用し、使用可能なワーカーの数から差し引かれる 負荷の高いサーバでは、負の数になることがある |
used_worker_count | int | 並列クエリで使用されるワーカーの数 |
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