エフセキュア、B2Bサービス事業を分社化 新社名、サービス名は「ウィズセキュア(WithSecure)」にF-Secure本社は2022年6月30日に社名変更予定

セキュリティサービスを提供しているエフセキュアは2022年3月17日、B2B向け事業に注力する企業「ウィズセキュア」を新設。今後はB2B向け事業をウィズセキュアが、B2C向け事業をエフセキュアが運営する。

» 2022年03月23日 09時45分 公開
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 エフセキュアは2022年3月17日、B2B(Business to Business)とB2C(Business to Consumer)向けの事業部門を強化すべく、同社を分割することを発表した。新設するB2Bを主力事業に置く企業名、サービス名は「ウィズセキュア(WithSecure)」だ。分社化によってエフセキュアはB2C事業に注力することとなる。日本法人は社名を「ウィズセキュア株式会社」に同日付で変更した。

 分社化にいたったいきさつとして、フィンランド本社F-Secureの創業者兼会長 リスト・シラスマ氏は「サイバー脅威の進化に伴い、当社のB2C事業とB2B事業の共通基盤はますます小さくなってきている」「コンシューマーと企業という2つのオーディエンスには、それぞれ全く異なるニーズを理解し、それに応える2つの異なるブランドを持つ2つの会社が最適なサービスを提供すべきと確信している」と述べた。

会見ではリスト・シラスマ氏のビデオメッセージが投影された

 F-Secureは1988年にフィンランドで創業した、セキュリティサービスを提供する企業だ。創業当初からコンシューマー向け製品を提供しており、以前はコンシューマー向け製品の売上高がB2Bより高かったものの、近年ではB2Bの売上高の方が高くなっている。

F-Secureについて(提供:ウィズセキュア)

 F-Secure アジアパシフィック地域担当バイスプレジデントのジョン・デューリー氏は「市場では、エフセキュアはアンチウイルス製品の会社であると知られています。30年以上にわたり、私たちはアンチウイルス製品において成功しています。しかし、私たちが提供する製品はアンチウイルスだけではありません」と語り、今回の新ブランドと新ブランド名の会社を創設することで、B2B市場における認知拡大を図るとした。

 続いて登壇したウィズセキュアのサイバーセキュリティ技術本部 本部長 島田秋雄氏は、エフセキュアの強みを、30年近く提供し続けているコンシューマー向け製品で培ったEPP(Endpoint Protection Platform)の知見をベースにEDR(Endpoint Detection and Response)の機能を追加するというアーキテクチャを取っていることだとした。「よくあるセキュリティベンダーは、EDR製品を出してから、『やっぱりEPPも必要だよね』とEPP製品の提供を始めるケースが多いです。われわれはEPPをベースに、EDRを加える形で製品を提供してきました。そこが他社との大きな違いです」

 ウィズセキュアが今後提供するサービスは主に4つ。クラウドベースの統合型セキュリティプラットフォーム「WithSecure Elements」、Salesforce環境に向けたマルウェア対策を行う「WithSecure Cloud Protection」、セキュリティコンサルティングサービス「WithSecure Consulting」、セキュリティマネジメントサービス「WithSecure Managed Services」だ。

WithSecureサービスのポートフォリオ(提供:ウィズセキュア)

 WithSecure Elementsは、単一の管理コンソールから脆弱(ぜいじゃく)性の検知や管理を行えるサービス。中でも「Elevate to WithSecure」は、管理画面から検出されたアラートからWithSecureのセキュリティオペレーションセンター(SOC)へ簡単に問い合わせができる機能だ。検出されたアラートの原因究明など、セキュリティ上の問題を解決するためのサポートが得られる。「簡単に利用できるので、お客さまからも好評です」(島田氏)

 F-Secure本社は2022年6月30日に社名を「WithSecure」に変更予定だ。F-Secureは現在ナスダック・ヘルシンキに上場しているが、将来的にはF-SecureとWithSecure両社ともにナスダック・ヘルシンキへの上場を計画しているという。

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