Microsoftは2022年3月17日(米国時間)、2021年11月からプレビュー機能として提供していたAzure仮想マシン上のSQL Server用「SQL Best Practice Assessment」の一般提供を発表しました。この機能を利用すると、Azure仮想マシンで稼働するSQL Serverの構成がMicrosoftのベストプラクティスに準拠しているかどうかを自動または手動で評価できます。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
「SQL Best Practice Assessment」の一般提供(GA)のアナウンスと、使用方法については、以下のブログおよびドキュメントで説明されています。この機能は、Azureポータルの「SQL仮想マシン(SQL Virtual Machine)」ブレードに統合された、Microsoft Azure上の「SQL Server」の管理に特化した機能です。
「SQL仮想マシン」ブレードは、Azure仮想マシンで動作するWindowsおよびLinux上のSQL Serverインタンスの構成や更新プログラムの管理、バックアップの管理、セキュリティの管理などを、集中的に、自動化された方法(手動も可)で行えるようにしたものです。「SQL仮想マシン」ブレードからAzure仮想マシンを新規デプロイしたり、既存の稼働中のAzure仮想マシンを自動登録(再起動やリセット不要)したりすることもできます(画面1、画面2)。
いずれの場合も、仮想マシンには「SQL Server IaaS extension(SqIaasExtention)」と「Microsoft Monitoring Agent(MicrosoftMonitoringAgent)」の拡張機能がインストールされて適切に構成されます。
SQL Best Practice Assessmentは、「SQL Server 2012」以降の評価に対応しており、「SQL仮想マシン」の仮想マシンページの「設定」下にある「SQL Best Practice Assessment」から有効化できます(画面3)。
有効化する際には、「Log Analytics」ワークスペースを指定する必要があります。このワークスペースは、SQL Server IaaS extensionが仮想マシンをスキャンしたデータを、Microsoft Monitoring Agentを通じてアップロードする場所です。SQL Best Practice Assessmentの評価エンジンは、ここにアップロードされたデータを評価します。評価には時間がかかるため、スケジュール設定を利用して自動化することも可能です。
評価が完了すると、Azureポータルの「SQL Best Practice Assessment」ページから評価レポートを確認できます(画面4)。
ベストプラクティスの評価対象は300近くあり、問題のある構成については「中」「低」「情報」「高」の4段階で示されます。また、以前の評価から改善された点については、「解決済みの問題」としてレポートされます。各評価項目には説明(英語)とオンラインヘルプへのリンクがあるので、ベストプラクティスに準拠するための対処方法の検討に役立つでしょう。
なお、ベストプラクティスの評価基準については、以下のGitHubリポジトリで公開されているので、どのように評価されるのか、事前に確認することができます。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2009 to 2022(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.