わが家の子どもがこの春社会人になり、大学入学時に購入して、貸与していたノートPCが返却されました(当人が自費で購入し、購入を代行したWindows 11 PCとの入れ替えで)。このノートPCをリフレッシュして、再利用するまでの手順をレポートします。Windows 11非対応のPCですが、対応PCであることを想定した手順です。
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今回手に入れた、自由できるPCは、Intel Core i3-6100U CPU(2コア、論理プロセッサ数4)、4GBメモリ、128GB SSD、TPM(Trusted Platform Module)2.0搭載のノートPCで、現在のOSは「Windows 10」(x64)Homeエディション、バージョン21H2です。残念ながらCPUのモデルが少し古く、「Windows 11」のハードウェア要件にCPUだけが引っ掛かるため、正式に(サポートされる形で)Windows 11にアップグレードすることはできません(画面1)。
子どもに貸し与えたPCが返ってきたわけですが、人から譲り受けたPCだと思って、再利用するためにきれいな状態にリフレッシュするまでをレポートします。Windows 11非対応PCですが、対応PCであると仮定して、次回の後編ではWindows 11へのアップグレードも行います。
安全のためのデータのクリーンアップ、メーカー提供の最新ドライバとユーティリティーの維持、Windows 11への無料アップグレード、こうした目的を全て達成するために、筆者が選んだ手順を紹介します。大まかな手順を以下に示します。
(1)システムイメージの作成によるフルバックアップ(PC入手時のWindows 10システム)
(2)PCのリセット
(3)最新の状態に更新(Windows、「Microsoft Edge」、ドライバなど)
(4)アプリケーション(マルウェア対策、「Microsoft Office」アプリ、「Acrobat Reader DC」など)のインストール
(5)システムイメージの作成によるフルバックアップ(リフレッシュ後のWindows 10システム)
(6)Windows 11 Homeへの無料アップグレード(オプションでWindows 11 Proへの有料アップグレード)
(7)最新の状態に更新(Windows、Microsoft Edge、ドライバなど)
(8)システムイメージの作成によるフルバックアップ(アップグレード後のWindows 11システム)
筆者は、Windows 10 PCのリセット前、リセット後(Windows 11へのアップグレード前)、Windows 11へのアップグレード後のそれぞれの時点で、USB外付けHDDにフルバックアップを行う作業を入れています(画面2)。これにより、万が一、作業に失敗しても1つ前の時点に戻ることができます。
なお、Windows 10やWindows 11のシステムイメージの作成に関しては、2022年1月の定例の累積更新プログラム以降に作成した「システム修復ディスク」のCD/DVDメディアから起動できないという問題が明らかになっています。ですが、「システム修復ディスク」はディスク交換などベアメタル回復が必要な場合にのみ必要になるものなので、その都度作成する必要はありません。
2021年以前に作成したシステム修復ディスクには影響しませんし、「回復ドライブ」(RecoveryDrive.exeで作成可能)のUSBスティックや、Windowsのインストールメディア(DVDメディアやUSBスティック)からシステムの回復を実行することもできます。もちろん、バックアップ自体に影響する問題でもありません。ローカルディスクにインストールされている「Windows回復環境(Windows Recovery Environment:WinRE)」が利用できるのであれば、そもそもシステム修復ディスクや回復ドライブの出番はありません。
「PCのリセット」は、現在のWindowsのインストールファイル(またはクラウドからダウンロード)を利用して、Windowsのインストールをクリーンな状態にリフレッシュするWindows 10からの機能です。
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