2021年の世界データセンターインフラ市場、前年比10%増の1850億ドルパブリッククラウド向けがほぼ5割に

Synergy Research Groupによると、2021年の世界データセンターインフラ市場は前年比10%増の1850億ドル規模となった。

» 2022年04月13日 20時00分 公開
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 調査会社のSynergy Research Groupは2022年3月28日(米国時間)、2021年の世界データセンターインフラ市場が1850億ドル規模となり、前年比で10%成長したと報告した。

 Synergy Researchの定義では、データセンターインフラにはサーバ、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティなどのITハードウェアおよびソフトウェアが含まれる。

 同社はデータセンターインフラをパブリッククラウド向けと企業データセンター向けに分類しており、2021年はパブリッククラウド向けインフラの売上高が前年比20%増で過去最高を記録し、データセンターインフラ全体の売上高の47%を占めた。

 Synergy Researchはその背景について、クラウドプロバイダーが、増加の一途をたどる需要に対応するため、大規模なデータセンター投資を続けていると説明している。

 一方、企業データセンター向けインフラの売上高は、2020年は前年比6%減だったが、2021年は同3%増といくらか持ち直した。

 市場シェアを見ると、パブリッククラウド向けインフラでは、ODM(Original Design Manufacturer:他社ブランドでの設計、製造を担うメーカー)全体が最大のシェアを占め、次いでDell Technoligies、Microsoft、Inspurが同程度のシェアを獲得した。

 企業データセンター向けインフラでは、MicrosoftとDellが首位で並び、水をあけられているものの、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Cisco Systems、VMware、IBMがこれに続いた。

データセンターインフラ市場:世界売上高の推移と市場リーダー(提供:Synergy Research Group)

 技術別に見ると、サーバ、ストレージ、ネットワーキングの「主要ハードウェア指向セグメント」が、データセンターインフラ全体の売上高の77%を占め、OS、仮想化ソフトウェア、クラウド管理、ネットワークセキュリティが残りの23%を占めた。

 また、Dellがサーバとストレージの売上高で首位に立ち、Inspurがパブリッククラウドプロバイダー向けサーバ販売で明確な優位を獲得した。Ciscoはネットワーク分野で支配的な地位を築き、MicrosoftはサーバOSと仮想アプリケーションで強いことから、高シェアを確保している。この4社以外では、HPE、Huawei、VMware、Lenovo、IBMが市場をリードしている。

 「データセンターインフラ市場は拡大を続けており、2021年の成長率は、比較的低調だった2年間を経て回復している。最大の話題は、パブリッククラウドプロバイダー向け販売が占める割合が増え続けていることだ。今やデータセンターインフラ全体の半分に迫っている」と、Synergy Research Groupの主席アナリスト、ジョン・ディンズデール氏は述べている。

 「われわれは、この傾向が今後5年間続くと予想している。クラウドプロバイダー向け販売は年間2桁の成長を続け、企業向け販売の伸び悩みを補う見通しだ。サーバセグメントでは、パブリッククラウドプロバイダー向けの出荷台数が企業向けを大きく上回っているが、出荷金額では、クラウドプロバイダー向けと企業向けの差はかなり小さい。企業向けサーバの方が平均販売価格が高いからだ。ただし、クラウドプロバイダー向けの出荷台数が急増し続けるにつれて、この出荷金額の差は拡大するだろう」(ディンズデール氏)

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