パッケージ型からクラウドサービス型への移行が進む ITRが国内ERPの市場予測を発表「市場拡大の追い風が吹いている」

ITRは、国内ERPの市場予測を発表した。2020年度の売上金額は対前年度比6.9%増の1229億円。SaaSは対前年度比27.2%増と高い伸びを示したのに対して、パッケージは対前年度比2.4%減だった。

» 2022年03月25日 08時00分 公開
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 アイ・ティ・アール(ITR)は2022年3月24日、国内ERP(Enterprise Resources Planning)の市場予測を発表した。ITRは2020年度の売上金額を対前年度比6.9%増の1229億円、2021年度は対前年度比14.6%増の1409億円と予想している。

画像 ERP市場規模推移と予測(提供:ITR

「データドリブン型経営」を強化する傾向が高まっている

 ITRは「2020年度のERP市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって成長率は低めだった。2021年度は、全般的に復調傾向にある」としている。

 老朽化したERPシステムのリニューアル案件に加え、2022年4月に施行される改正電子帳簿保存法への対応や、新規案件が拡大傾向にあり、ITRは2020〜2025年度のCAGR(年平均成長率)を11.6%と見込んでいる。

 販売形態別に見ると、2020年度はパッケージ市場がマイナス成長だった。一方、SaaS(Software as a Service)市場は対前年度比で27.2%増と高い伸びを示している。この理由についてITRは「主要ベンダーが新規案件でSaaSの販売を推進していることに加えて、既存のパッケージ導入企業についてもSaaS移行を進めているため」と述べている。

 パッケージ市場を見ると、2019年度からオンプレミス向けの市場規模縮小が進んでおり、縮小した分だけIaaS(Infrastructure as a Service)の市場規模が拡大している。ITRは「IaaS市場は2019年ごろから20%前後の高い伸びを維持している。近年は基幹システムにIaaSを選択する企業が増加傾向にあり、この傾向は2022年度以降も続く」と予測している。

 ITRの浅利浩一氏(プリンシパル・アナリスト)は次のように述べている。

 「COVID-19の影響によって働く環境が多様化し、紙を主体とした旧来のビジネスを変革する必要性に迫られた企業が多い。その結果、企業は基幹システムを刷新する際に『クラウド型ERP』の優先度を高めている。また、データドリブン型の経営を強化する傾向が高まってきていることもクラウド型ERPの市場拡大の追い風になっている。戦略や施策の過程をデータドリブンで管理できるシステムやプロセスの強化に取り組む企業が今後さらに増えるだろう」

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