Microsoftは、管理、セキュリティ、生産性、コラボレーションの分野で企業顧客に提供する「Windows 11」と「Windows 365」の新機能を紹介した。企業でハイブリッドワークへの移行が進んでいることを受け、ハイブリッドワークを最適化するツールや技術の提供を目指す。
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Microsoftは2022年4月5日(米国時間)、管理、セキュリティ、生産性、コラボレーションの分野で企業顧客に提供する「Windows 11」と「Windows 365」の新機能を紹介した。Windows 365は、クラウド上でWindowsが動く「クラウドPC」を利用できるサブスクリプションサービス。
企業におけるハイブリッドワークへの移行が進む中、Microsoftは、「ハイブリッドワークを最適化するツールや技術を提供することがMicrosoftの責任であり、その中心にあるのがWindowsだ」との認識を示す。「Windows体験のイノベーションを全力で推進しており、Windows 11とWindows 365の進化によって、ハイブリッドワークを次の時代に導く」としている。
今回発表された主な新機能は次の通り。
Microsoftは、Windows 11とWindows 365を組み合わせた新しい統合機能を提供する。この機能には、ワンクリックでクラウドPCとローカルPCをシームレスに移動できる「Windows 365 Switch」、ワンステップでWindows 365クラウドPCを起動できる「Windows 365 Boot」、オフライン作業でもデータを失わずに自動的に再同期できる「Windows 365 Offline」などが含まれる。
Microsoftは、「これらのシナリオは、WindowsとMicrosoftクラウドの統合の始まりにすぎない」と述べている。
人々がより多くの場所でさまざまなデバイスを使って働き、より高い柔軟性を求めるようになったことを踏まえ、Microsoftは、可能な限りインクルーシブ(包摂的)で、接続性に優れ、インテリジェントなユーザー体験をWindowsで提供しようとしている。
Windowsユーザーが効率や生産性の向上を享受できるように、ファイルエクスプローラーに次の機能を追加した。
MicrosoftはWindows 11で、AI(人工知能)が支援する会議機能も提供する。その中には、ボイスクラリティとボイスフォーカス、自動フレーミング、ポートレート背景ぼかし、アイコンタクトなどが含まれる。これらの新機能によって、「Windowsユーザー同士のつながりが促進される」としている。
Windows 11では次の3つの新機能によって障害がある人々を含む全ての人を支援するという。
Microsoftは、フィッシングと標的型マルウェアに対抗するために、「Microsoft Defender SmartScreen」と「Smart App Control」という2つの新機能をWindows 11に導入した。
Microsoft Defender SmartScreenは、フィッシングの検出と保護を強化する。ユーザーが悪意あるアプリケーションやハッキングされたWebサイトにMicrosoftの認証情報を入力する際に警告し、フィッシング攻撃からユーザーを保護するのに役立つ。
Smart App Controlは、Microsoftの強力なAIモデルとともにコード署名を使用して、信頼できるアプリケーションのみが実行されるようにする。
Microsoftは、CPUに組み込まれるセキュリティプロセッサ「Microsoft Pluton」によって、「クラウドのパワーをハードウェアに取り込むことも視野に入れている」としている。
Microsoftは、「組織やIT部門がリモートワークやハイブリッドワークに適応する中で、一貫性と管理の容易さがこれまで以上に重要になっている」との見解を示す。次のように、IT部門のエンドポイント管理に関する新機能を打ち出している。
Windows、「Microsoft Edge」「Microsoft Office」の更新を自動化し、常に最新の状態に保つことで、IT部門の負荷を軽減するサービス。Windows Enterprise E3サブスクリプションの一部として、顧客に追加費用なしで提供する。
IT部門は「Microsoft Endpoint Manager」によって、Windows 365のクラウドPCを物理PCとまとめて管理できるようになる。顧客からの要望が多かったクラウドPCの「Azure AD Join」のサポートも、2022年5月に提供する予定だ。
管理者は「Endpoint Manager for Edge for Windows」でアプリ保護ポリシーを適用することで、デバイスにおけるユーザーと組織のデータのやりとりを構成したり、許可される「Windows Defender」の脅威レベルを定義したりできるようになる。これによって、従業員が個人のWindowsデバイスから、セキュリティとプライバシーを維持しながら、組織のリソースに安全にアクセスできるという。
Microsoftは、プレミアムエンドポイント管理の計画を発表した。エンドユーザー体験の向上、エンドポイントセキュリティの強化、TCOの削減を目的としたEndpoint Managerの新機能を順次提供する。新機能は、クラウド、オンプレミス、デバイスプラットフォームを横断したエンドポイント保護に役立ち、ゼロトラストセキュリティモデルの導入を目指す企業にとって基盤となるという。
Microsoftは、リモートヘルプの提供も開始した。これは、Endpoint Managerのプレミアムエンドポイント管理向けアドオンの第1弾だ。従業員がどこで働いていても、ヘルプデスクとの安全な接続を保証し、日々のIT関連ニーズをサポートすることで、ハイブリッドワークにおける大きなニーズに対応するという。
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