特集
» 2022年04月19日 05時00分 公開

「創業当時は良い選択だった」――マネーフォワードのアーキテクチャ変遷、クラウドネイティブに変革した理由「拡大していく組織を支えるには、適切な責務分担とスモールチームが大切」

2022年3月10〜11日に開催された「ITmedia Cloud Native Week 2022春」の基調講演に、マネーフォワードの取締役執行役員 D&I担当 CTO(最高技術責任者)中出匠哉氏が登壇。「40を超えるサービスを“素早く継続して”生み出し続ける、クラウドネイティブな秘訣(ひけつ)」と題して、マネーフォワードにおけるクラウドネイティブ技術活用のポイントやサービスを迅速提供するための秘訣を紹介した。

[齋藤公二,@IT]

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モノリシックで密結合なアーキテクチャが生まれ、「桃園の誓い」状態に

 「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をミッションに、事業者向けバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」などを提供するマネーフォワード。事業領域は、創業事業である家計簿、資産管理(PFM)サービスから、バックオフィス向けSaaS、FinTechやDX(デジタルトランスフォーメーション)推進など幅広く手掛けている。近年は、金融サービスを提供するファイナンスサービスやSaaSマーケティング支援も開始している。

マネーフォワード 取締役執行役員 D&I担当 CTO 中出匠哉氏 マネーフォワード 取締役執行役員 D&I担当 CTO 中出匠哉氏

 「個人向け事業の割合は15.8%で、金融機関向けサービスと合わせて約30%、最も大きな事業は法人向けで、そのうちバックオフィス向けSaaSが約55%を占めています。提供サービスは年を追うごとに増加していて、2022年3月時点では40を超えています。バックオフィス向けSaaS事業、複数のサービスがお互いに連携する形で提供されています。拠点は国内8拠点とベトナムにあり、開発拠点を順次増やしている状況です」(中出氏)

 40を超えるサービスを提供するマネーフォワードだが、創業期のシステムはモノリシックで密結合なアーキテクチャだった。これは創業間もない2012年時点で、銀行やクレジットカード、電子マネーなどの残高や取引情報を金融機関から取得する「アカウントアグリゲーション基盤」を最初に構築したことに由来するという。

 「アカウントアグリゲーションしたデータをユーザーに見せるため、DB(データベース)を共有する形でサービスを作っていました。2013年に『マネーフォワード クラウド会計・確定申告』をリリースしましたが、同じIDでログインできるようにするため、同じDBを利用しました。2015年の『マネーフォワード クラウド請求書』、2016年の『マネーフォワード クラウド給与』をそれぞれリリースするときも同じDBを利用しました。その後も『マネーフォワード クラウド経費』『マネーフォワード クラウド資金調達』とサービスが増えていき、1つの共有DBにさまざまなデータが混在するモノリシックで密結合なシステムになってしまったのです」(中出氏)

 こうしたシステムの問題点は、共有DBが高負荷で停止すると全サービスが同時に停止することにある。同社では密結合した状態を三国志の著名なせりふ「我ら生まれた日は違えども、死す時は同じ日同じ時を願わん」になぞらえ「桃園の誓い問題」と呼んでいるという。

桃園の誓い問題(出典元:中出氏の講演資料より) 桃園の誓い問題(出典元:中出氏の講演資料より)

疎結合化、責務の再定義、マイクロサービス化、コンテナ化&クラウド化に取り組む

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