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こんにちは、リクルートでエンジニアリングマネージャーをしている高橋陽太郎です。
エンジニアリングの知識と経験を総動員してワンオペ家事&育児をカイゼンしていく連載「家事場のシスぢから」、前回は、私が4人家族(含むワンコ)の家事育児を担うに当たって想定される課題を「制約条件の理論」を活用して整理しました。
整理した結果、コアの課題としてターゲットしたのが下記の2つです。
今回は、1つ目の「勤務時間の課題」を解決しにいきます。もちろん制約などで完全に超えられないものもありますが、それも含めて現実解を見つけにいきます。
キーワードはアジャイルの中で学んできた「対話」です。
対話の重要性は、世間一般に広く認識されています。もちろんソフトウェア開発の世界でも例外ではなく、アジャイルソフトウェア開発では、早い段階から対話が強い関心事でした。アジャイルという用語が最初に登場した「アジャイルソフトウェア開発宣言」の中にも、対話という文言が出てきます。
「プロセスやツールよりも個人と対話(※1)を、契約交渉よりも顧客との協調を」の部分が、そのものずばりです。今回大事にしているのもこの考え方です。
また、Joshua Kerievskyが提唱するモダンアジャイル(※2)では、対話は薬にも毒にもなり得るとして、むしろ対話を安全なものにするための心理的安全性の確保が重要であると考え(※3)、アジャイルソフトウェア開発宣言の「個人と対話」の部分を「Make Safety a Prerequisite(安全を前提条件にする)」という原則として読み替えています(※4)。また、Alistair CockburnのHeart of Agile(※5)は、アジャイルの心として、コラボレートを重視しています。
アジャイルはもともとソフトウェア開発の世界で提唱された概念ですが、現在ではソフトウェア外へ適用する試みも多数あります。この連載も、アジャイルのソフトウェア開発以外の領域への取り組みの一つの実装といえます。
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